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心理学研究科(大学院)の教育の特色

研究科の構成と基本方針

 中京大学心理学部における教育は、共通の堅固な基礎科目の上に基礎・応用・臨床・発達の4領域からなる「コース」を設け、学生が各自の問題関心および希望進路に応じて履修計画を主体的に作成できるように配慮しています。心理学研究科においては、心理学の系譜および現状に照らして領域間交流を促す一方、学部教育と整合性をもつ大学院教育を実施すべく、1研究科2専攻とし、「実験・応用心理学専攻」および「臨床・発達心理学専攻」を置いています。

 博士前期課程では、専攻領域や進路のちがいを超え、他の学問分野・領域と連携協力しプロジェクト・チームの一員として課題解決に寄与する人材を養成しています。そのためには、前期課程を通じて、学問体系における心理学の位置づけを把握し、専攻領域に固有の概念体系や方法論を習得し、それらの学識と自らの問題関心にもとづいて課題を解決することができるよう、教育カリキュラムを編成しています。
 博士後期課程では、学術研究・教育者あるいは高度専門実務者として学術研究と教育に当たる人材を養成しています。

実験・応用心理学専攻

概 要

 本専攻は、意識発生から行動発現に至る基本的心理過程の解明をめざす「実験心理学研究領域」と、そのような基礎研究の成果を活用して現実的諸問題の解決を図る「応用心理学研究領域」の2領域から構成されています。
 20世紀後半は人間科学が急速な進展を示した時期でした。とりわけ心理学の基礎領域においては、感覚・知覚・感情・学習・認知・行動などの基本的心理過程の解析が進められ、人間性の科学的探究の成果が当該学問分野のみならず隣接諸分野の学術発展にも大いに貢献してきました。
 20世紀後半はまた、技術進展にともなう環境改変が人間-環境系への心理的適応という新たな課題を生み出した時期でした。たとえば、多発する医療ミス・交通事故・誤操作などは、注意や慣れなどのヒューマン・エラーの心理的問題と深く関わっており、その解決には人間の心理過程に照らした具体的な提案が必要となります。このような問題認識が深まるとともに心理学に対する社会的期待が高まり、それに応えて心理技術の高度化をめざす応用研究領域が着実な成長を遂げつつあります。
 もともと実験心理学研究領域(基礎心理学)と応用心理学研究領域(応用心理学)は、その対象・方法を共有し、同じ学問的系譜に属して発展してきたものであり、それゆえ相互に親和性が高いと言えます。したがって、この両者の連携をさらに強化することにより、ヒューマン・エラーの危険を回避し人間-環境系の適正化を図る上で、心理学は中核的な役割を担うことができるはずです。
 すでに欧米諸国においては、この種の心理技術の有用性について社会的評価が定着しており、またそのための基礎研究の重要性についても理解が進んでいます。本研究科でも、両者の連携をさらに促進するために「実験・応用心理学専攻」を置いています。

教育目標

 本専攻では、基本的心理過程に関する学識をもち、その応用によって快適で安全な人間環境系の設計に寄与する学術研究者および専門実務者を養成しています。
 基礎研究領域では、感覚・知覚・感情・学習・認知・行動などの領域における教育研究を行うとともに、基礎と応用を繋ぐ実験・測定・解析などの多様な方法に精通した人材の育成に努めています。応用研究領域では、基礎研究の成果を踏まえて現実的諸問題の解決を可能にする心理技術の高度化をめざし、社会的要請に応じて専門的実務に従事する人材を養成します。
 本研究科の基礎研究領域には、感覚・知覚、行動・学習、認知の課題領域を専門とする教員が配置されているので、それぞれの領域において先端的研究を推進するとともに、大学院教育において研究科共通授業プログラムの実施を担当します。また、応用研究領域では、過去の実績にもとづき、生活空間の快適性の追求、視認性向上をめざす環境整備、環境適応支援プログラムの標準化、作業環境における錯誤防止など、人間-環境系の諸問題解決をめざす心理技術の研究・教育を推進します。

臨床・発達心理学専攻

概 要

 本専攻は、人間の様々な適応困難の分析と事例への対処をめざす「臨床心理学研究領域」と、生涯にわたる人間発達の様態とその機序の解明をめざす「発達心理学研究領域」の2領域から構成されています。
 著しく変貌する現代社会は、個人の社会生活に多大の影響を及ぼし、そのことが文化的・社会的行動の多様性を生み出しています。このような事象に対して、心理学からの提言や援助がこれまでになく強く要請されていますが、臨床心理学はその先端的な実学として、社会の期待に応えるべく努力を重ねています。本学文学研究科心理学専攻の教員および課程修了者の多くが広範な心理臨床の職務に活躍しており、その実績により財団法人日本臨床心理士資格認定協会による指定制大学院に認められています。
 ところで、心理臨床活動に従事する者に、事象理解の基礎を与える領域の一つが発達心理学です。本来的に、発達心理学は、人間の生涯にわたる発達事象の理論化と事象発現機序の解明をめざすものですが、近年、その動向は、発達事象を実験室的にとらえるのではなく、むしろ人間の日常生活に積極的に見いだそうとする姿勢にあると言えます。この点においても、ライフ・スパン全体を視野に収めて人格形成や諸心理機能の発生を扱う発達心理学は、臨床心理学と緊密な関連性をもちます。本研究科設置にあたって発達心理学研究領域を置くのは、このような学問的状況に即応し、発達心理学の実学的側面をも教育に反映させながら、当該領域の進展に寄与する人材を育成するためです。
 従来、発達事象の原理探究をめざす発達心理学のアプローチと個の理解を通じて適応を支援する臨床心理学のアプローチとがともすれば乖離しがちであり、両者の連携は充分といえない状況でした。しかし、近年の学問的動向に即してそのような実情を改善し、心理学における両領域の連携協力を促進することによってさらに高い資質をもつエキスパートを養成することが急務とされます。
 幸い本学では、心理学部の発足を機に、従来の基礎・応用・臨床の3領域に「発達研究領域」を加え、領域横断型の研究とその成果の教育を可能にしましたが、その特色を活かし、本研究科に「臨床・発達心理学専攻」を置きます。

教育目標

 本専攻では心理学全般にわたる広い学識をもち、適応事象の基本を身につけた専門実務者および学術研究者を養成します。
 臨床心理学研究領域では、心理的適応の困難な個人または集団に対し専門的知識と経験にもとづいて適切な援助を行う専門的実務者、および臨床的事象に関する研究に従事し、その成果を通じて人材育成に当たる教育研究者を養成します。
 先にも述べたように、本学文学研究科心理学専攻の修了者の中には広範な心理臨床の職務において活躍している者が多数いますが、それは、人格理論や人格研究法の基礎を重視しながら心理臨床の専門的実務に不可欠な査定(診断)・治療技法を事例に即して教育してきた成果にほかなりません。
 他方、発達心理学研究領域では、重要な発達研究法の一つである観察法を駆使した社会的行動の発達過程の追跡、縦断的手法による社会・情動・認知・言語・自己などの問題の分析を通して、生涯にわたる社会・文化的発達を体系的に学修しながら、現実事態における諸問題に対して適切な提言を行う教育研究者を養成します。
 本専攻における臨床心理学と発達心理学の共同化は、それぞれの領域における研究・教育の実効を高めるとともに領域間の連携・相互交流を促し、より高い問題処理能力をもつ人材の育成を可能にすると考えます。

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