中京大学 情報理工学部 情報科学研究科

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伊藤 秀昭

教員紹介faculty
情報システム工学科 Information System Technology


システムの知能化と情報の構造化
伊藤 秀昭


研究テーマ

 研究室の研究テーマは,「システムの知能化」と「情報の構造化」です.
 データベースシステム,情報検索システムおよび人工知能システムを中心とした情報システムに関するソフトウェアシステムの研究開発を行っています.情報システムをより知的とし,問題解決に有用なシステムを実現することを目標としています.一方,情報は単独では存在せず,互いに関連付けられることによってより有意義となります.情報の構造化に関する研究では,情報を有機的に関連図付けることを目標としています.システムの知能化と情報の構造化に関する研究は,マルチメディアデータを対象に進めています.いわゆるマルチメディア情報を中心として,様々なメディアで表現される情報を知的処理の対象としています.
 次のような研究テーマを長期にわたって開発を進めており,具体的なシステム開発に取り組んでいます.
(1) 顔索引づけシステム
キーワードで表される記号情報と顔写真より得られる数値情報を統合した情報に基づき,規則や隠れ意味索引付けを応用して顔イメージに対して適切なキーワードを付与する索引付けシステムを開発しています.また,このシステムは顔ブラウザとしての機能をも有しています.規則や隠れ意味空間は,知識ベースとして振る舞っています.
(2) 画像を用いたWeb検索エンジン
これまでの検索エンジンはキーワードを用いた検索エンジンです.しかし,キーワードを与える方法では,キーワードとして与える用語が,検索要求を表す記号である必要があります.しかし,ある対象を表現する用語がキーワードとして想起されないということも多々あり,検索対象が言葉で表すことが困難であるので,画像や写真といった形式でしか表されないといった局面も見受けられます.そのようなときに,検索要求として画像を与えることができれば容易に対象を検索することができると考えられます.
(3) 地域ニュースの地図表示
地域版の新聞にはローカルニュースが掲載されています.読者がそのような記事を読むときには,まず,記事の内容を理解するでしょう.さらに続けて,実世界での場所と記事が関連づけられるでしょう.この機能を実現するシステムとして,地域ニュースの地図表示システムの実現を進めています.
(4) メッセージフローシステム
メッセージ(Email)を用いたワークフローシステムの開発を進めています.このシステムをメッセージフローシステムと呼び,メッセージの送受信転送を管理するためのシステムです.メールは皆さんが利用して便利なツールであることはいうまでもありませんが,相手に届いたかどうかが不明であったり,連絡法方法が一方的であったりします.メッセージフローはこの種の問題を解決するためのツールとして開発を進めています.
 さらに,現在では情報システムがネットワークで結合されており,そのような環境でのシステム利用が見込まれています.このようなシステム構成はWEBシステムとなって広く発展してきました.我々の研究室では,積極的にWEBシステムの開発を進めるだけではなく,分散システムの研究も積極的に進めてゆこうとしています.



学生の方へ

 人工知能や知識工学を基礎として,データベースや情報検索技術に応用した,知能メディアやマルチメディアを扱う情報システムを構築するというテーマです.これを達成するためには,人工知能や情報システムの理解だけではなく,画像処理やネットワークについても基礎的な知識が必要であると考えています.
 以上は非常に大きな枠組みですが.実際にはテーマを決めて,関連技術を調べ,その上で自分の考えを実現するというようなことを行っています.さらに,情報システムはアイデアとして述べるだけではなく,考えたアイデアやアルゴリズムを実装し,システムを評価することも重要です.



発表

  1. Hideaki Ito, Yuji Kawai, and Hiroyasu Koshimizu: Face Image Annotation in Impressive Words by Integrating Latent Semantic Spaces and Rules, Proc. 13th Knowledge-Based and Intelligent Information and Engineering Systems, KES 2009, Part II, LNAI 5712, pp. 591-598, 2009.
  2. Hideaki Ito, Yuji Kawai and Hiroyasu Koshimizu: Face Image Annotation based on Latent Semantic Space and Rules, Proc. 12th International Conference on Knowledge-Based and Intelligent Information & Engineering Systems, September 2008, Zagreb, Croatia, Springer LNAI 5178, p. 766-773, 2008.
  3. Hideaki Ito, Available Bandwidth and Minimum Bandwidth Delivery Methods for Video Delivery and Video Replication, Proc. 5th International Conference on Information Technology and Applications (ICITA), pp.828-833, 2008.
  4. ideaki Ito and Teruo Fukumura, Message Flow: Design and Architecture of a Message Flow Management System, Bruno Apolloni, Robert J. Howlett, Lakhmi C. Jain (Eds.): Knowledge-Based Intelligent Information and Engineering Systems, 11th International Conference, KES 2007, Vietri sul Mare, Italy, September 12-14, 2007. Proceedings, Part II. Lecture Notes in Computer Science 4693 Springer 2007, ISBN 978-3-540-74826-7.
  5. Hideaki ITO and Hiroyasu KOSHIMIZU, Face Image Retrieval and Annotation based on Two Latent Semantic Spaces in FIARS, The Second IEEE International Workshop on Multimedia Information Processing and Retrieval, Proc. Eight IEEE International Symposium on Multimedia, pp.831-836, 2006.


担当科目

離散数学IA,IB,データベースシステムI,II,マルチメディアシステム,オペレーションズ・リサーチ(情報システム工学科)
データ工学セミナーA・B(情報科学研究科 修士課程)
情報システム特論I(情報科学研究科 博士課程)



略歴

1982年 東京電機大学理工学部卒業
1984年 東京電機大学理工学研究科修士課程修了
1986年 東京電機大学理工学研究科博士課程中退
1986年 (財)日本情報処理開発協会
1990年 中京大学 情報科学部
1995年 博士(工学)(名古屋大学)
2006年 中京大学 情報理工学部