文・写真・構成□学生広報スタッフ「ライト」樋口生海・江口未桜アルーアダウィイサという名の「中京大学オリンピアン」をご存じだろうか。中東の国オマーンから2018年にスポーツ科学部競技スポーツ科学科に留学。勉強はもちろん、水泳部での活動も熱心に取り組み、21年の東京、今年のパリ両五輪に競泳男子のオマーン代表として出場したイサ選手である。現在は大学院スポーツ科学研究科修士課程に在学、来年3月に7年間の中京大学での学びを終え、母国に戻るという。イサさんに留学中の体験や将来の思いなどを聞いた。水泳との出合いは10歳を過ぎた頃。「姉がやっていたのがきっかけ」だった。早いスタートではなかったが、「個人の努力がそのまま結果に現れる競技」に魅力を感じた。高校卒業後はアメリカで学ぶことも考えていたが、訪れたのは日本だった。「オマーンの水泳連盟のトップの方と水泳部長の髙橋繁浩先生(スポーツ科学部教授)がお知り合いで中京大学も選択の一つに」と勧められた。実はイサさんの母親は実家が神奈川県の日本生まれ。「子どもの頃から家庭では母と日本語で会話していた」といい、言葉の心配もなかった。「留学中に2度の五輪を体験し、学校では好きな勉強がしっかりとできて、とても楽しい7年間でした」と語るイサさん。特に豊田キャンパスに魅力を感じていたようだ。〝自分の庭〟でもあるプールのほか、アイスアリーナ、野球場、陸上競技場、大体育館、テニスコート、柔道場、剣道場など。多くの施設がそろっており、水泳以外の個人スポーツ、チームスポーツなどさまざまな競技を体験したり、観たり。「これ以上ない環境の中でスポーツの勉強に取り組めました」と振り返り、「そして今年はアスリート向けの食堂もオープンしましたね」とにっこりした。卒業後の進路について尋ねると、「生活の基盤はオマーンに置きます。日本との関係、学びは続けるつもり」と、これからの自分の姿を見つめているかのような表情を見せた。オマーンでは新しい生活のスタートは9月だ。卒業後の半年間は、経済関係のインターンシップに取り組み、大阪万博にも来るつもりだという。パリ五輪では陸上競技男子100㍍のオマーン代表のアリ選手と知り合った。来年9月に東京で行われる世界陸上に「間違いなく来るのでいろいろと援助したい。26年には愛知でアジア大会があり、さらにその2年後はロサンゼルス五輪ですよね」。いろんな人たちと関わることのできるスポーツの世界に魅せられているのだ。将来はオマーン国のスポーツ界を引っ張っていくのかな?いたように見えた。遠く正面を見つめるような眼差しで頷選手と川端魁人選手を応援するイベントが、豊田キャンパスの学生食堂「CHUGLECAFE」で開催された。メドレーリレー予選に出場した谷口選手の応援イベントが開催され、水泳部員を中心に100人以上が参加した。イベントには梅村清英理事長もかけつけ、谷口選手の紹介VTR上映や水泳部・草薙健太監督による見どころ解説などが行われた。1600㍍リレーの予選と決勝の応援イベントが開催され、川端選手を応援するために陸上競技部員を始め、延べ130人が集まった。川端選手が第2走者を務めた日本代表は、予選で日本記録を更新し、決勝では予選タイムを大きく更新するアジア新記録で6位入賞を果たした。川端選手にバトンが渡ると、この日いちばんの歓声が湧きパリへエールが送られた。パリ五輪に出場した谷口卓8月3日には競泳400㍍9、11日はそれぞれ、陸上2 応援イベントの様子競泳オマーン代表イサ選手が語る、中京大学での留学生活と五輪の経験アルーアダウィ イサ選手
元のページ ../index.html#3