ショートトラック2月14日から16日まで、イタリア・ミラノで開催されたスピードスケート・ショートトラックワールドツアー男子1500mで銀メダルを獲得したのは、林康生選手(スポーツ科学部4年)だ。結果について林選手はこう述べた。「体の使い方、使用する道具のセッティングが全てかみ合ってパフォーマンスを発揮できるのがショートトラック。その正解を見つけられた」。しかし、その約1か月後に開催された世界選手権にも出場した林選手だったが「1周のタイムを0・2秒縮めれば世界一が見えてくるという自信があった。そのための試行錯誤をしたが、その答えが見つからなかった」と悔しさを語った。そんな林選手に今後の目標を伺うと「世界一になること。その一点しか見ていない」と即答し、その眼差しは真剣そのものだった。「小さい頃からそのためには何をフリースタイルスキー・ハーフハイプ(HP)という競技をご存知だろうか。円柱を半分に切ったような形状のコースを滑りながら、空中で技を競うその光景をテレビなどで見たことがある人は多いのではないだろうか。3月30日、スイスのサンモリッツで行われた世界選手権の決勝の舞台に松浦透磨選手(2024年度スポーツ科学部卒)の姿があった。さかのぼること2週間前、松浦選手は我々の前でHPについてその多くを語ってくれた。まず、HPの魅力を「ジャンプの高さ、完成度、難易度、多彩さなど多くの要素からなる競技性。そしてライバルでもあり仲間でもある選手同士の関係の中で、アドバイスし合いながら皆で成長していく競技の特性」と楽しげに語った。特にジャンプの多彩さについてSpeed Skating Short Track©共同通信社林康生(スポーツ科学部4年)2025 ショートトラックワールドツアー第6戦ミラノ大会 男子1500m 2位2025 全日本ショートトラック選手権大会 男子1500m 1位 はやし こう せい松浦透磨(2024年度スポーツ科学部卒業)2025 フリースタイルスキー世界選手権ハーフパイプ 14位2025 アジア競技大会(スキー・ハーフパイプ) 4位 まつ うら とお ま文・構成:学生広報スタッフ「ライト」大場雄斗、住田晃基すべきか考え行動してきた」と続けて言葉を綴った。睡眠、栄養、トレーニングなどの面で最善の状態で生活を送っている。その証拠として林選手は調味料をほとんど使わない野生動物に近い食生活を実施しているのだという。さらに自分の強みについて「小学校6年生のときに強豪国韓国で学んだ、コーナー頂点すぎで左足を強く踏み込む独特な体の使い方が、今の自分の技術の原点でもある」と分析した。林選手は、ショートトラックの魅力について「ゴールの瞬間まで勝敗が分からないスリル感」や、「身長160cmの自分が、180cmある世界のトップ選手に対し、体格差があっても技術で補い、勝てる可能性があること」と胸を躍らせる表情で語った。スキーフリースタイル(ハーフパイプ)は本人が武器としている一つである。「誰もやっていない新しい技に挑戦できること」カテゴライズを振り切るように滑走する松浦選手のHPは挑戦することへの緊張感さえも楽しんでいるようにも見える。この性分もまた、強みのひとつなのかもしれない。そんな松浦選手が普段心掛けていることがある。「どんなに些細なことでも良いので、必ず一日一個新しいことに挑戦する」ことである。これは松浦選手の人間としての魅力そのものだろう。自分で自分を信じて日々努力を続けることで挑戦への道は開けるのだ。目標である世界大会での入賞に向けて松浦選手はこれからも日々自分と、仲間と切磋琢磨し合い、前進し続ける。Skiing2
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