Discussion Paper No.1606

Abstract :
この小論では、市レベルの産業連関表を作成するに当たり、その市を含む地域の産業連関表を分割し、分割した小地域間の交易をグラビティRAS法に基づいて推計することで地域間産業連関表を作成し、そこから特定の市の産業連関表を抽出するという方法を提案する。具体的には、春日井市産業連関表の作成を事例として、愛知県を4地域に分割した県内4地域間産業連関表のなかで、春日井市を含む尾張地域産業連関表をもとにして、尾張地域を春日井市、瀬戸市、小牧市、犬山市、およびその他尾張の5つに分解した5地域間産業連関表を作成し、春日井市の産業連関表を抽出した。併せて瀬戸市、小牧市、犬山市の産業連関表を抽出し、それら4市の特徴について検討した。
4市の特徴を生産誘発係数や付加価値誘発係数、およびスカイライン図から見ていくと、生産誘発係数や付加価値誘発係数の部門別パターンの差異は比較的小さいが、各市の生産構造と部門別域内・域外需要構造の両面を同時にとらえるスカイライン図では、各市の特徴を見ることができる。

Keywords : 市産業連関表、グラビティ・RAS 法、地域間産業連関表、スカイライン図