日付 | 2010年10月19日 |
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講演者 | 萱野志朗氏、上村英明氏 |
タイトル | 「アイヌ民族の現状と課題」 |
場所 | 921教室 |
法学部では、10月19日(火)に名古屋キャンパス9号館921教室で、萱野茂二風谷アイヌ資料館館長萱野志朗氏と恵泉女学園大学人間社会学部教授上村英明氏を講師に招き、「アイヌ民族の現状と課題」と題する学術講演会を開催した。
最初にDVDを鑑賞し、アイヌの伝統的な祭りであるイオマンテ(熊の霊送り)等、本州では見ることができないアイヌ文化に触れると同時に、現代のアイヌがほとんど他の日本人と変わらない生活をしていることを学んだ。その上で、萱野氏は、明治政府によってアイヌが和人の生活スタイルを強要されるようになり、長年にわたって差別を受けてきた歴史について訴えた。次に、上村氏が、2008年6月6日「アイヌを先住民族とすることを求める決議が国会で可決され、初めて公式にアイヌが先住民族と認められたが、日本政府は国際的に合意された先住民族の定義がない以上、アイヌ民族が2007年9月13日に国連総会で採択された「先住民族の権利に関する国連宣言」の権利が保障される先住民族に該当するか分からないという立場に立っていることを批判的に説明された。お二人の経験に基づく刺激的な講演に多数の学生・教員等が感銘を受け、質疑応答も活発におこなわれた。