日付 | 2011年1月26日 |
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講演者 | 名古屋市立大学医学研究科客員教授 宮治 眞氏 |
タイトル | 「法と医の倫理のはざまで」 |
場所 | 中京大学名古屋キャンパス9号館第1会議室 |
法学研究科では、1月26日(水)午後1時10分から名古屋キャンパス9号館第1会議室において、名古屋市立大学医学研究科客員教授の宮治眞氏を講師に招き、「法と医の倫理のはざまで」と題する学術講演会を開催した。
講演において宮治氏は、がん告知や未確立の医療における医師の説明義務に関する3つの判例を題材としながら、判決内容について医師の視点から分析した上で、法と医の倫理のはざまで生じている問題を明らかにされた。また、宮治氏は、医療裁判事例を素材とする医療倫理教材の開発を目的とした共同研究を基礎に、医療における倫理的問題を解決するための倫理的視点として、これまでに生命医療倫理の領域で提唱された諸原理とともに、宮治氏らの共同研究において抽出された事項を紹介された。その上で、倫理と法の関係については、その時々の裁判所の判断を含めた時代背景への配慮が必要であること、また、一つの問題を異なった視点からみることが重要であること等が指摘された。
講演の後、参加者から多数の質問があり、有意義な質疑応答の時間を持つことができた。異なる専門領域から問題を考えることの重要性を改めて感じさせられた講演会であったと思う。