Doctoral Course

博士後期課程工学専攻

教員紹介

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Professor Introduction

教員紹介

機械システム工学領域

青木 公也

教授 青木 公也

学 歴
慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程修了 博士(工学)
最終職歴
豊橋技術科学大学/情報工学系助手
専門分野
画像処理、コンピュータビジョン

コンピュータビジョンシステム研究室(CVSLab.)

画像処理の産業応用、マシンビジョンの研究

CVSLab.では「知的な目を持ったコンピュータ」の研究開発に取り組んでいる。機械における「目」はすなわち、外界の情報を習得するカメラである。得られた画像に「何がどうのように」映っているかを「理解」する「ロボット・マシンビジョン」を世に送り出す。
図は、CVSLab.が提案する「人のように画像中の間違いに気づく」処理の出力例である。このマシンビジョンは自動車製造ラインにおいて、人に代わってある重要部品を検査している。
CVSLab.は画像処理・人工知能・ロボット研究を通じてエンジニア・研究者を育成し、かつ「ものづくり」に貢献することを目標としている。
間違いに「気づく」マシンビジョン

間違いに「気づく」マシンビジョン

石原 彰人

教授 石原 彰人

学 歴
豊橋技術科学大学大学院 工学研究科 博士(工学)
最終職歴
豊橋技術科学大学 工学部 研究員
専門分野
神経情報処理論

視覚・生体システム研究室

視覚系神経回路の情報処理に関する研究

我々は脳で情報処理された結果から何を見ているか認識している。こうした視覚系の情報処理について、それを構成する神経細胞や神経回路について生理的知見に基づいた比較的詳細な数理モデルを使い、そのメカニズムを明らかにする研究を実施している。 視覚系の中で網膜は脳の出先器官とも呼ばれるように、単純に脳に情報を伝達するだけでなく基本的な視覚に関する前処理機能を有している。網膜での情報処理メカニズムを理解することは、脳を知るために重要と考え研究を進めている。さらにそれらの研究で分かった知見を画像メディア機器やセンシングデバイスなどへ応用する研究なども実施している。
視覚系神経回路の情報処理に関する研究イメージ
加納 政芳

教授 加納 政芳

学 歴
名古屋工業大学大学院工学研究科 博士(工学)
専門分野
HRI、知能・感性ロボティクス

人間共生ロボティクス研究室

次のロボットを創る

家庭で使用されることを想定して開発された次世代ロボットの用途には、家事の手伝、介護現場での介護者補助などが考えられます。今後、少子化が進む日本では、ロボットが人を助けて働くことが期待されています。人間共生ロボティクス研究室では、人と共に暮らすロボットの研究開発を進めています。(1)赤ちゃん型ロボット:高齢者の心理的ストレスを緩和するために、高齢者に世話されるロボットBabyloidを開発しています。Babyloidは、2015年よりスマイビとして発売されています。(2)オノマトペロボット:オノマトペ(擬音語・擬態語)は、 一般的な語彙に比べて絶妙な差異を表現することができます。オノマトペをロボットの動作生成や操作に利用することで、ロボットとの間に言語的・論理的に加えて心理的な関係性を築けると考えています。(3)教育支援ロボット:中学生や高校生、発達障がいの可能性のある生徒と共に学び合うロボットを開発しています。
Babyloid

Babyloid

木野 仁

教授 木野 仁

学 歴
立命館大学大学院 理工学研究科 博士(工学)
最終職歴
滋賀医科大学 医学部 マルチメディアセンター 教務職員
福岡工業大学 工学部 知能機械工学科 教授
専門分野
ロボティクス 、機械制御工学

知能機械研究室

知能的な機械の開発を目指して

ロボット工学を主な研究テーマとし、受動歩行、筋骨格システム、ワイヤ駆動ロボット、テンセグリティロボット、ロボット用アクチュエータ、学習制御など、メカづくりからプログラムまでを総合的に構築している。また、「ロボットを人間らしくコントロールする」視点を重視し、人間工学にも取り組んでいる。直近の代表的な研究事例には、ワイヤ駆動方式を利用した産業用ロボットの実用化が挙げられる。ワイヤ駆動方式のロボットは、従来の産業ロボットに比べ高出力、広い稼動範囲、省電力などメリットが多い。本研究ではワイヤ駆動方式の産業用ロボットの実用化を目指して、諸問題の解決に取り組んでいる。
パラレルワイヤ駆動方式を用いた次世代産業用ロボットの開発

パラレルワイヤ駆動方式を用いた
次世代産業用ロボットの開発

清水 優

教授 清水 優

学 歴
名古屋工業大学 工学部 機械科
中京大学大学院 情報科学研究科 博士(情報科学)
専門分野
移動ロボット

知能レスキューロボット研究室

小型自律レスキューロボットの研究・開発・評価

人が入れない環境や人手が不足している環境では、ロボットの活用が進められている。広域災害では、大量のロボットで多くの倒壊家屋内を並列に調査し、要救助者や危険箇所の調査を素早く行うシステムの開発が期待されている。レスキューロボットには、不整地移動、人検出、自己位置推定・地図作成、マルチロボット情報統合、マルチロボット対応自律探索行動計画などの機能が求められる。その開発では、ハードウェア、ソフトウェア、画像処理、センサ技術、データベース、シミュレーションを含むロボット性能評価手法など様々な分野がある。それらの研究地盤を使って、学生個々の興味や特性に合わせた卒業研究を行う。
研究室で開発したレスキューロボット

研究室で開発したレスキューロボット

野浪 亨

教授 野浪 亨

学 歴
名古屋工業大学大学院 工学研究科修了  博士(工学)
最終職歴
通産省工業技術院 名古屋工業技術研究所室長
(独)産業技術総合研究所 セラミックス研究部門 研究グループ長
名古屋工業大学大学院 都市循環システム工学専攻 助教授(併任)
㈱NSP 取締役(兼業)
専門分野
インテリジェント・安全・安心材料

バイオミメティック材料プロセシング研究室

バイオマテリアルの合成

体の一部を人工物で置き換える「バイオマテリアル」は皮膚や骨、血管などについて研究が進められ実用化されている。特に骨や歯はアパタイトというセラミックスを主成分としており、人工合成されたアパタイトが人工骨として利用されている。その合成法として応用され始めているのが、生体内での骨の生成システムを模倣することで生体内と同じ常温・常圧でセラミックスを合成し、環境への負荷が極めて小さいバイオミメティック材料プロセシングである。こうしたバイオマテリアルや環境保全材料の研究により、環境にやさしい(環境調和性)、人にやさしい(アメニティー性)材料を開発する事を目指している。
化粧品原料としての近赤外線遮蔽材料の探索

合成したマリモアパタイト™の電子顕微鏡画像

橋本 学
学 歴
大阪大学大学院 工学研究科 博士(工学)
最終職歴
三菱電機(株) 先端技術総合研究所 画像認識グループマネージャー
専門分野
画像情報処理、 知能ロボティクス

知的センシング研究室(ASMI Group)

眼を持つ人工知能ロボットの研究

家庭や工場で活躍するロボットが高度な知能を持つためには、周辺環境を瞬時に知覚する視覚機能や、結果を的確な行動に結びつける高度な人工知能技術が必要である。橋本研究室では、画像や3次元データ処理に関する独創的技術、およびこれらを搭載した世界最先端の知能ロボットを開発している。たとえば、「コップを取ってきて」と簡単な命令を出すだけで、部屋の中から目的物を探してくる生活支援ロボットや、工場作業を強力に支援する産業用ロボットなど。これらの研究成果は、論文発表や国際的なロボット大会での上位入賞によって証明され、産学連携を通じて実社会にタイムリーに還元されている。
道具を巧みに使いこなす世界初のヒューマノイドお茶会ロボット

道具を巧みに使いこなす
世界初のヒューマノイドお茶会ロボット

秋月 秀一

講師 秋月 秀一

学 歴
中京大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了 博士(情報科学)
最終職歴
慶應義塾大学 理工学部 助教
専門分野
ロボットビジョン

スマートロボットセンシング研究室(ASMI Group)

賢く器用なロボットの実現に向けて

深層学習技術の発展により、カメラに映った物体を素早く認識することや、その結果をもとにして、目の前の物体を正確に掴み上げる技術等のロボットのための知覚技術は成熟しつつある。今、知能ロボットに求められるタスクは、単純作業の代替だけでなく、掴み上げた道具を人間のように使用することや、周囲の人間の挙動に合わせて場にあった振る舞いをおこなうなど、より高度な知的作業である。本研究室では、コア技術である3次元データ処理技術を、物体認識や人物センシングに応用することによって、次世代の知覚技術創出に向けた研究開発に取り組んでいる。
デモンストレーション動作解析による道具の利用方法の理解

デモンストレーション動作解析による
道具の使用方法の理解

電気電子工学領域

青森 久

教授 青森 久

学 歴
上智大学 大学院 理工学研究科 博士(工学)
最終職歴
東京理科大学 理工学部 嘱託助教
専門分野
知的情報処理

知的情報処理研究室

生体システムにヒントを得た情報処理の研究

生体の情報処理機構は、現在のコンピュータでは実現が困難な高度で複雑な処理を容易に行う能力を持っている。この優れた情報処理機構をコンピュータ上に実現できれば、コンピュータは我々の生活をさらに便利にしてくれるツールになると考えられる。しかし、この情報処理機構がどのように知的で柔軟な情報処理を行っているのか、その原理はほとんど明らかにされていない。本研究室では、脳や生体にヒントを得た情報処理機構を工学的に実現する研究だけではなく、神経回路網のダイナミクスの解明や網膜系情報処理機構のモデル化を理論・計算機シミュレーションなどを通して多角的に研究を進めている。
網膜に学ぶ知的画像符号化

網膜に学ぶ知的画像符号化

磯 直行

教授 磯 直行

学 歴
名古屋大学 大学院 工学研究科 博士(工学)
最終職歴
名古屋大学 工学部 助手
専門分野
大規模システム設計工学

システム設計研究室

VLSI設計とCADアルゴリズム

本研究室では、VLSI(超大規模集積回路)の設計とCADアルゴリズムに関する研究を展開。回路設計はハードウェア設計のように思えるが、最近ではソフトウェアも駆使して設計されている。そのため、今後の本格的マルチメディア時代を支える重要な技術として、CADを使った電子回路とVLSIを使ったシステム設計を実際に行う。また、大学やコンピュータ演習室のネットワークをデザインしたり、インターネットを利用したシステム開発も行い、ネットワークエンジニアやIoT開発エンジニアを目指すことができる。資格取得にも力を入れ、IT系資格や情報技術者試験等のサポートも行っている。
研究室で設計・開発した画像処理用LSIのチップ 顕微鏡写真

研究室で設計・開発した画像処理用LSIのチップ
顕微鏡写真

髙坂 拓司

教授 髙坂 拓司

学 歴
徳島大学 大学院 工学研究科 博士(工学)
最終職歴
大分大学 理工学部 准教授
専門分野
非線形力学、断続システム論

断続システム論研究室

分野横断的な断続システムの理解

任意の断続動作特性を有し、複数のシステムがその動作によって切り替わる問題(断続システム)を対象に、この種の問題の分野横断的な体系化、定性的性質を検討可能とする数値解析手法の確立およびその応用を目指している。例えば、スイッチング素子を含む電気回路、衝突や摩擦を有する機械振動は工学分野にみられる断続システムの典型例である。そこで、高周波数で動作する電力変換回路の高効率化やスイッチング動作に伴うノイズが回路におよぼす影響の包括的解明、工具に周期的な外力を与え加工物を切削する切削法の仕上げ面粗さの改善やびびり振動の予兆検出等にも取り組んでいる。
断続システムの例

断続システムの例

須田 潤

教授 須田 潤

学 歴
金沢大学 大学院 博士(理学)
最終職歴
独立行政法人 国立高専機構 教授
専門分野
計算材料科学、光物性工学

光エレクトロニクス研究室

レーザー分光によるパワー半導体の特性解明

現在、SiCを用いたパワーデバイスは低炭素社会実現に向けたキーデバイスとして注目され、電力変換用MOSFETは低損失かつ高速スイッチング特性を持つインバータとして期待されている。 これらデバイスは200℃以上の高温で動作させるため、局所的な応力は闘値変動や機械的な剥離につながり信頼性低下の要因になる。そのため、熱を含めた電極付SiC半導体表面の応力変化を知る必要がある。本研究室では、高温状態のパワー半導体の応力変化や電子物性を調べることを目的として、顕微レーザーラマン分光実験やスーパーコンピュータによる大規模シミュレーションに取り組む。
顕微レーザーラマン分光による電極付SiC結晶の残留応力分布

顕微レーザーラマン分光による
電極付SiC結晶の残留応力分布

田口 博久

教授 田口 博久

学 歴
東京理科大学 大学院 博士(工学)
最終職歴
東京理科大学 助教
専門分野
量子効果デバイス工学

量子効果デバイス研究室

量子効果を利用した超高速応答デバイスの研究

量子効果を利用した超高速応答デバイスに関する基礎研究を行っている。理論計算を用いた層構造の決定から、ナノテクノロジーを駆使した微細デバイスの試作、試作デバイスの性能評価実感まで、一連のデバイス開発研究を行い、超高速応答デバイスの実現を目指す。さらに、量子効果デバイスとして光応答素子にも注目する。研究対象のMetal - semiconductor - metal - PhotoDetectors(MSM-PD)は、次々世代超高速通信デバイスとして実用化が期待されているデバイスだが、半導体ヘテロ構造に関してはまだ研究が進んでいない。半導体ヘテロ構造とナノテクノロジーの組み合わせにより、受光素子の高速化に関する研究を進めていく。
試作したMSM-PD外観と微細構造電極幅/間隔は0.1μm/0.2μm

試作したMSM-PD外観と微細構造
電極幅/間隔は0.1μm/0.2μm

竹村 暢康

教授 竹村 暢康

学 歴
東京理科大学大学院理工学研究科 博士(工学)
最終職歴
三菱電機(株)
(株)サムスン日本研究所
日本工業大学 教授
専門分野
電波応用工学、アンテナ工学

電波応用工学研究室

アンテナ・無線通信技術に関する研究と高周波応用技術への展開

スマートフォンなどに代表される移動通信では、さらなる大容量高速無線通信技術に対する期待が高まっており、また、IoT技術の進展に伴い、多様なデバイスがインターネットに接続され、相互に通信するシステムが急速に拡大している。本研究室では、無線伝送のデータ量増加に対応するための次世代無線通信に向けた全二重通信MIMOアンテナシステムやIoTにおける無線通信技術の有力な手段として期待されているUWB MIMOアンテナ、電波応用として無線技術を利用した新しいエネルギーネットワークや電磁波から電力を回収するエネルギーハーベスティング技術に関する研究などに取り組んでいる。
試作したMSM-PD外観と微細構造電極幅/間隔は0.1μm/0.2μm

全二重通信MIMOアンテナシステム構成

竹村 暢康

教授中村 久栄

学 歴
名古屋大学大学院工学研究科修了 博士(工学)
最終職歴
(株)トーエネック
専門分野
センシング工学

センシング研究室

特徴量をセンシングし、電気機器の状態診断などに活用

本研究室では、特徴量を用いて電気機器の内部状態を診断する研究について取り組む。
特徴量とは、対象物の特徴を具体的な数値として表した物理量のことである。例えば対象物がヒトの場合は、身長、体重、体温、血圧などが特徴量であり、電気機器の場合は、電流、電圧、振動、音などが特徴量である。こうした特徴量のセンシングは、ヒトの健康状態や電気機器の内部状態を把握するための第一歩である。
そこで本研究室では、対象物を電気機器とし、センシングした特徴量から機器の内部状態を診断する研究を行う。診断する場合には、確率統計などの数学や、機械学習や深層学習等の最新の人工知能技術を用いることで、高精度な電気機器の状態診断法について研究する。また、電気火災や省エネルギー、拡張現実(AR)に関する研究も行う。
試作したMSM-PD外観と微細構造電極幅/間隔は0.1μm/0.2μm

センシングから診断までのイメージ

Pitoyo Peter Hartono

教授 Pitoyo Peter Hartono

学 歴
早稲田大学 大学院 理工学研究科 博士(工学)
最終職歴
公立はこだて未来大学 准教授
専門分野
計算知能

計算知能研究室

機械学習と自己組織化メカニズムによるロボットの構築

高齢化や人口減少に伴い、日常的にロボットの普及が予想される中、複雑で動的な環境下でさまざまなタスクを実行できるロボットが求められている。本研究室では、機械学習と自己組織化メカニズムによる柔軟なロボットの開発技術の研究を行っている。たとえば、さまざまな形状を持つロボット(図)を柔軟に構築できるロボットモジュールの開発を行う。ロボットの実時間学習の研究では、実世界タスクに対し、ロボットが自ら行動戦略を獲得できる学習アルゴリズムの開発を行う。また、学習や自己組織化によって生成されたロボットやその行動を直観的に人間に理解できるための可視化手法の研究も行っている。
さまざまな形状を持つロボット

さまざまな形状を持つロボット

村中 崇信

教授 村中 崇信

学 歴
九州大学 大学院 総合理工学府 博士(工学)
最終職歴
JAXA宇宙航空研究開発機構 情報・計算工学センター招聘研究員
専門分野
宇宙機工学、プラズマ工学

電気宇宙工学研究室

人工衛星・宇宙探査機の信頼性向上に関する技術開発

本研究室では、プラズマ解析技術を応用し、数値シミュレーションと地上実験により、人工衛星・宇宙探査機の電気的信頼性向上に関する技術開発を行っている。現在、以下の2つの課題を中心に研究活動を展開。①人工衛星の発電と電力供給に関する信頼性:人工衛星と宇宙プラズマの電気的相互作用を解析し、人工衛星の発電と電力供給の安全性を向上させる機体設計等を提言する。②宇宙探査機に搭載するプラズマロケットの信頼性:プラズマロケットから放出されるプラズマと探査機本体との相互作用を解析することで、電子機器や熱制御材の性能劣化の問題へのリスク評価を行い、プラズマロケット搭載衛星の信頼性向上に貢献する。
プラズマロケット搭載衛星表面に流入するイオンビームの解析結果

プラズマロケット搭載衛星表面に流入する
イオンビームの解析結果

平名 計在

准教授 平名 計在

学 歴
名古屋大学 大学院 工学研究科 博士(工学)
専門分野
ロボット制御

システム制御研究室

HDSの実システムへの適用

離散値と連続値が混在し、相互作用する動的システムをハイブリッドダイナミカルシステム(HDS)という。実システムにおいて、HDSとして振舞うシステムは数多く存在するが、これらを扱う際には、離散値・連続値を別々に扱う従来の枠組みではなく、同時に扱うことで制御性能の向上が図れると考えられる。しかし、実システムにHDSを適用する際には計算機の計算能力を必要とすることが多く、実際に適用した例はあまり多くない。本研究室では、HDSと捉えることができる実システムに対し、実際にHDSを適用することで制御性能を向上させるための研究および、計算能力をそれほど必要としない手法の開発を目指している。
HDSの例(部屋の温度制御)

HDSの例(部屋の温度制御)

情報工学領域

伊藤 秀昭

教授 伊藤 秀昭

学 歴
東京電機大学 大学院理工学研究科 工学修士
名古屋大学 大学院工学研究科 博士(工学)
最終職歴
(財)日本情報処理開発協会
専門分野
知識工学、データ工学

データ工学研究室

情報システムの知能化と情報の構造化

本研究室ではデータベース、情報検索および人工知能を中心とした情報システムに関する研究開発を行っている。情報工学の分野では、データ工学および知識工学と呼ばれる分野に関わる。現在の情報システムではデータベースは基幹システムの一つになっており、情報システムの知的機能を高めることで問題解決に有用なシステムを実現することを目標としている。具体的には、人が人に会ったときに受ける印象を得る印象評価システムや、オリンピック史料を対象とした新たな知見の獲得を支援するシステムの実現を進めている。これら以外にも、有用で知的なシステムやデータベースシステムの実現に取り組んでいる。
ブランデージコレクションのデータベース化とテキストマイニング
大泉 和文

教授 大泉 和文

学 歴
筑波大学 大学院 芸術研究科 博士(メディア科学)
最終職歴
愛知県立芸術大学 美術学部 講師
専門分野
メディア・アート

現代アート研究室

Media/Art/Beyond Display

大型インタラクティヴ・インスタレーション作品の制作を行っている。その特徴は、作品と観客のインタラクションを誘発する仮設空間の構築と、作品が物理的に動く点にある。具体的にはドローイング・マシンや、視聴覚以外の感覚に訴える体験型の作品を制作し、国際芸術祭「あいち2022」などの展覧会で発表してきた(図)。また、美術史的な観点からCTG(Computer Technique Group、1966-1969年)を中心に、初期コンピュータ・アートの研究を進めている。狭義のメディア・アートを超えて、当時の作品が持っていた多様性の復権と、大文字の美術史への位置づけを目指している。
可動橋/BH 1.0(2018年)

可動橋/BH 5.0(国際芸術祭「あいち2022」) photo©大須賀信一

小笠原 秀美

教授 小笠原 秀美

学 歴
北海道大学 大学院 情報科学研究科 博士(情報科学)
最終職歴
中京大学 文学部心理学科(現:心理学部)助手
専門分野
認知モデル

認知モデリング研究室

問題解決の認知過程

状況が時々刻々変化する動的課題(ビデオゲーム「パックマン」等)や与えられた条件を満たす答えを探す制約充足問題(「お絵描きロジック」等のペンシルパズル)などを材料として、問題を解く時の認知活動やその熟達化の解明や、その認知過程のモデルの構築とその手法について研究している。初心者とエキスパートの差異や熟達による変化など、データを実験や観察を通して収集、モデルを実装し、そのモデルをベースにして問題の難易度などを検討している。制約充足問題については問題の定義から答えを正しく計算する並列処理プログラムの構築方法も研究する。
熟達化による視点の変化

熟達化による視点の変化

瀧 剛志

教授 瀧 剛志

学 歴
中京大学 大学院 情報科学研究科 博士(情報科学)
専門分野
映像処理と可視化

画像処理・可視化シミュレーション研究室

映像処理・可視化技術の開発と応用

映像処理やCGの基本技法をベースに、人の身体動作や集団的な行動を計測・分析するシステムの研究開発を進めている。主に、①複数台の旋回型ハイビジョンカメラと録画機器をコンピュータ制御し、広範囲にわたる人々の行動内容を自動的に撮影・記録するシステム②チームスポーツを対象に各選手の勢力範囲や動的な位置関係に基づいて試合展開の優劣を推定するゲーム分析システム③モーションキャプチャ装置やフォースプレート等のセンサを用いて人やモノの動きや状態を同時に、高速かつ3次元的に計測し、効果的に表示するシステムを研究開発している。
映像処理・可視化技術の開発と応用
宮﨑 慎也

教授 宮﨑 慎也

学 歴
名古屋 大学大学院 博士(工学)
専門分野
リアルタイムCG応用、VR

CG・VR応用研究室

仮想物体のモデリング及び動作シミュレーション

CGモデルを高速に計算する高性能プロセッサ、シェーディング等の高価なレンダリング処理をリアルタイムで実現するグラフィックスエンジンは、高品質のCG映像に対するインタラクティブな操作を実現可能にした。それらを利用して、実世界に存在するさまざまな物体を計算機が人工的に作り出す仮想世界の中で表現し、あたかも実物であるかのように操作できる環境を実現しようとする試みが行われている。本研究室では、比較的複雑な物体として、紙面が多重に折り重なる折り紙や変形物体の基本である弾性を有する物体に対し、インタラクティブな操作を実現するためのモデリング手法やアルゴリズムの開発を行っている。
折り紙のCGモデル、VRによる自動車コックピットの設計

折り紙のCGモデル、VRによる自動車コックピットの設計

目加田 慶人

教授 目加田 慶人

学 歴
名古屋大学 大学院 工学研究科 博士(工学)
最終職歴
名古屋大学大学院 情報科学研究科 助教授
専門分野
医用画像処理とコンピュータビジョン

実社会に役立つ画像処理研究室

パターン情報処理・深層学習による画像分類と認識

本研究室では、画像処理・深層学習・データサイエンス技術とそれらの画像認識システムへの応用に関して、基礎理論から実践的な研究開発まで幅広く手掛ける。具体的には、機械学習のためのデータセット整備方法に関する基礎的な研究から、台湾総督府公文書の手書き文字の認識、人工的な学習データ生成に基づく医用X線CT画像からの肝臓がん病変部検出、腹部超音波画像からの腫瘍の検出と分類などの深層学習(ディープラーニング)を用いた画像認識に関する研究、人の動き計測と生成に基づくアスリートの動作理解の促進に関する研究、外科手術ナビゲーションシステムの音声やジェスチャによる操作システムや外科医の教育システムなど、システム開発と実利用に関する研究に取り組んでいる。
研究イメージ

音声・ジェスチャ認識による非接触外科手術ナビゲーション

山田 雅之

教授 山田 雅之

学 歴
名古屋工業大学 大学院 博士(工学)
最終職歴
名古屋工業大学 助手
専門分野
知能情報処理

スマートグラフィックス研究室

スマートデザイン支援システムの開発

様々な創作活動をとりあげ、それを支援するためのシステムを開発している。図にはサンドアート、知恵の輪、バルーンアート、zometoolを用いた3次元造形、ゼンタングル模様を対象として、それぞれのデザインを支援するシステムまたはその原理を示している。これらのシステムの高度な機能を実現するためにコンピュータグラフィックス、画像処理、人工知能などの様々な情報技術を活用している。
研究イメージ
ラシキア 城治

教授 ラシキア 城治

学 歴
国立モスクワ大学 大学院 PhD
最終職歴
一橋大学経済学 部数学研究室助教授/岡山理科大学工学部助教授
専門分野
計算科学

ITソフトウェア開発研究室

ソフトウェア開発

本研究室では、主に情報科学におけるIT分野のソフトウェア開発を行う。近年では深層学習を用いた開発に力を入れている。これまでに開発したソフト例:深層学習用いたハンドジェスチャーによる家電操作システム/低コストの鳥害等解消AIシステム/ギターの擬似演奏システム/打鍵署名を利用したパスワード認証ツール/ぴったり電車タイマーアプリ/ 株取引損益率検証アプリ/トレードノートwebアプリ/書籍管理webサイト/Unityを用いた教育支援ゲーム/ラズベリーパイを用いたシューティングデバイス /学習効率向上のためのGoogle Chrome拡張機能/モーション認識を用いた運動型AR学習ゲーム
鬼頭 信貴

准教授 鬼頭 信貴

学 歴
名古屋大学大学院 情報科学研究科 博士(情報科学)
最終職歴
京都大学大学院 情報学研究科 特定研究員
専門分野
超高速・高信頼論理回路の設計自動化

集積システム設計研究室

高性能論理回路の設計と設計自動化

集積回路とその応用である計算機システムはシミュレーション、ネットワークサービス、画像理解など知的な処理を実現するための基盤技術である。現代の複雑な計算機システムをより省電力、より高速、より高信頼とするためには、集積回路やシステムの優れた設計技術や構成技術の研究が重要である。近年では半導体集積回路の性能向上に陰りが見られてきていることから、低消費電力で高速な処理が可能な超伝導回路デバイス(単一磁束量子回路)に向けた回路設計自動化技術や回路アーキテクチャの研究を行っている。このほか、集積回路で多用される算術演算回路の高信頼構成法の探求などの研究を行っている。
自動設計された回路のレイアウト

自動設計された回路のレイアウト

曽我部 哲也

准教授 曽我部 哲也

学 歴
東北芸術工科大学大学院 芸術工学研究科 修士(芸術工学)
専門分野
メディア・アート

映像メディア表現研究室

映像を軸とした表現の研究

映像やCGに関わる領域を研究対象としている。ゲームエンジンを利用したワークショップの運営や、ワークショップに関連するアプリなどを開発しており、実際に利用してもらう事を念頭に開発を行っている。また、ここ数年はスマートホンやタブレットなど、身近になったデバイスを利用した2つの社会技術開発に参画している。一つは発達障害を持つ青年らを、アプリを通じてサポートする仕組みを構築している。もう一方は、建築前の学校をVRで可視化し、近年増加している住民参加型の学校作りのサポートについての調査などを行っている。
映像を軸とした表現の研究
道満 恵介

准教授 道満 恵介

学 歴
名古屋大学 大学院情報科学研究科 博士(情報科学)
最終職歴
日本学術振興会 特別研究員PD
専門分野
人の行動支援のための画像処理

知的画像処理研究室

人の行動支援のための画像処理・パターン認識技術

コンピュータビジョンや深層学習を用いて人の行動を支援する技術に関する研究をしている. 具体的には,人が画像を見た際にどの程度魅力的に感じるかという視覚的感性を数値化する技術,および,それを機械学習(特に深層学習)により推定する技術を研究している.特に,料理の盛り付けや写真撮影の良し悪しを画像特徴から定量的に推定する技術を研究しており,これにより,魅力的な料理写真(所謂「映える」写真)の撮影を支援でき,SNSへの投稿や料理店におけるメニューの作成等,幅広い分野への応用が期待される.また,自動車のドライバに対する安全で快適な運転支援を目的として,車載カメラを用いた物体の認識およびその視認性を画像特徴から定量的に推定する技術も研究している.その他,スポーツ(陸上,水泳,バドミントン等)の試技映像解析,天文データ解析,医用画像診断支援等,様々な研究に取り組んでいる.
料理の盛り付け・写真撮影を支援するシステムの様子

料理の盛り付け・写真撮影を支援するシステムの様子

中 貴俊

准教授 中 貴俊

学 歴
中京大学大学院 情報科学研究科 博士(情報科学)
専門分野
ICTメディア応用

スマートデバイス活用・アプリケーション開発研究室

スマートデバイスへの可視化技術の活用

可視化技術はさまざまな情報を理解しやすい形で多くの人々に提示可能な技術であり、スマートデバイスの発達で、CGによる情報提示はPCを利用することなく広く提供できるようになった。本研究室ではスマートデバイスへの可視化技術の活用・技術開発を研究。特にミュージアム・教育に関する研究活動として、最先端のタブレット端末を活用するのみでなく、科学館学芸員との共同による高精度な天体アルゴリズムの開発とそれらを活用したアプリケーションの開発・教育教材開発研究を行っている。また、開発したデジタル教材の地域におけるワークショップ・レクチャーの活動に結びつけた取り組みも行っている
金環日食学習アプリ

金環日食学習アプリ

村田 晴美

准教授 村田 晴美

学 歴
大阪府立大学大学院 工学研究科 博士(工学)
最終職歴
大阪府立大学大学院 工学研究科 客員研究員
専門分野
音響信号処理

音響信号処理研究室

音楽理論を利用した音響信号処理

マルチメディアコンテンツのうち音楽を対象とし、音楽コンテンツがインターネット上で不正に配信されてしまうことを防ぐ技術の一つである音楽電子透かしに関する研究をしている。この技術により、音楽コンテンツそのものに著作権情報などの情報を付加することができるため、音楽コンテンツが不正に配信されているかどうかを特定することができる。また、楽音を自動で楽譜に書き起こす技術である自動採譜などの音楽情報処理技術や音楽理論と電子透かしとを組み合わせることにより、音楽コンテンツに有益な情報を付加しつつ、違和感なく音楽をアレンジすることができる技術の開発を目指している。
音楽電子透かし

音楽電子透かし

兼松 篤子

講師 兼松 篤子

学 歴
金城学院大学大学院文学研究科 博士(社会学)
最終職歴
名古屋大学大学院情報学研究科 特任助教
専門分野
オープンデータと社会応用

情報技術の社会応用研究室

オープンデータの利活用

自治体における地域情報化、オープンデータ推進に関する研究を行っている。これまで、市やその関連施設、企業との協働によるWebシステム開発、デジタルファブリケーションを用いたモノづくり、子どもを対象としたマイコンプログラミング教室の実施、地場産業活性に向けた2Dデータ利活用などの取り組みを行ってきた。これら全て積極的にオープンデータを活用している。研究開発に加えて実際に地域へ出かけ、研究フィールドでの産官学連携による研究活動を進めている。
開発したアプリケーションとノベルティをイベントにて活用

自治体との協働によるオープンデータ推進の取り組み

董 然

講師董 然

学 歴
筑波大学大学院 システム情報工学研究科修了 博士(工学)
最終職歴
東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 助教
専門分野
アフェクティブコンピューティング

感性情報科学研究室

AIとメディアを融合する研究・開発

生体信号、音声、画像、テキストなどの情報を扱い、人間の感性や知能に関連するテーマについて幅広く研究を進めている。様々な分野でAIの活用が進められている中、本研究室では、感情表現に焦点を当て、深層学習やセンシング技術を用いて、芸術・メディア、コンピュータグラフィックス、ヒューマンロボットインタラクションに関する研究を行っている。また、計算社会科学、数値シミュレーションなどの分野とも連携して、学際的な研究を取り組んでいる。
AIとメディアを融合する研究・開発

人形浄瑠璃の感情表現技法を用いたインタラクションデザイン

正木 彰伍

講師正木 彰伍

学 歴
名古屋大学大学院理学研究科 博士後期課程修了 博士(理学)
最終職歴
鈴鹿工業高等専門学校 機械工学科 准教授
専門分野
計算宇宙論

計算宇宙論研究室

情報技術を駆使し宇宙の謎を解く

これまでの天文観測から、この宇宙には暗黒物質や暗黒エネルギーという未知の物質とエネルギーが大量に存在していることが明らかになっている。これら暗黒成分の正体解明は、物理学における最重要課題の1つであるだけでなく、宇宙の構成要素はなにか?という有史以来の疑問に答えるために不可欠なものである。現在、世界各国で様々な観測計画が進んでおり、観測データから暗黒成分に関する情報を抽出する方法論の確立が喫緊の課題となっている。本研究室では、スーパーコンピューターを用いた宇宙における大規模な構造の形成シミュレーション、天体の形成進化の数値的モデリングといった情報技術を駆使して貢献していく。また最新の機械学習・人工知能技術の応用や、宇宙分野におけるノウハウの情報学分野への転用にも取り組んでいく。
AIとメディアを融合する研究・開発

計算機上に再現した約30億光年の領域における宇宙大規模構造