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社会学専攻

学びのガイダンス:マスコミ学を学ぶ人のために

〈マスコミ学の特徴〉

マスコミ学は、いつも新しく変化し続ける学問といえます。とても守備範囲の広い学問で、最近では、インターネット社会の研究と混じり合うことで、「マスコミ学」から「メディア学」「メディア社会学」という学問の一部に含まれるようになってきています。

(1) 従来のマスコミ学:送り手と受け手の仕組みを考える学問

マスコミ学の基本的な構図は、「送り手」と「受け手」の二つの関係からなりたっています。「送り手」の研究は、業界の研究であったり、ニュースや娯楽番組の制作過程の研究、さらにジャーナリズムの研究であったりします。また、「受け手」は、オーディエンス(ラジオではリスナー)の研究となります。言い換えれば、文化を消費する消費者の研究ともいえます。

(2) 新しいマスコミ学:地域メディアや市民メディアの研究

東京に本社を置く大きなテレビ・新聞・出版・映画などのマスコミ企業だけがマスコミ学の対象ではありません。最近では、地域に密着したコミュニティ放送や、市民自らが発信する市民メディアなどが関心を集めています。とりわけ東日本大震災以降は、防災やまちづくりとも関係してコミュニティFMが注目されてきています。地域生活や市民生活とメディアとの視点をもつと、マスコミ学がより身近なものとなります。

(3) 新しいマスコミ学:メディア学という大きな学問に拡大

インターネットが普及してきた今日では、ネット配信で動画を見たり、ネットで自分の映像・写真・言葉を発信する人も増えてきました。道具も新聞・ラジオ・テレビだけではなく、スマホを通じて番組や情報を受け取るようになってきています。こうした社会を「メディア社会」といい、マスコミ学もそうした変化に対応して研究対象を拡大し続けています。「マスコミ学」はすでに「メディア学」に姿を変えつつあると言ってもよいかもしれません。

〈文化社会学としてのマスコミ学〉

マスコミ・メディア学は、社会学の領域でいえば、「文化社会学」の一部ともいえます。というのは、マスコミがつくる番組やイベントは、現代文化そのものだからです。現代社会では、「メディアと関係しない文化はない」と言ってもよいでしょう。若者の文化だけではなく、伝統文化や民俗文化も、今日では放送やDVD・CDやイベントを介して私たちに届けられます。音楽ライヴもメディアイベントのひとつです。現代では、あらゆる文化がメディア化されているのです。

またマスコミ・メディアがつくる内容(コンテンツ)は、会社・地域・環境・若者・教育・家族などさまざまな分野とクロスすることでなりたっています。ですから、現代社会のさまざまな問題・文化・変化を表現したものがマスコミの中身なのです。

社会学の様々な科目を学ぶことで、現代社会の変化に対する豊かな感受性を鍛えること、それが優れたマスコミ研究や作品制作につながります。

〈マスコミ学を学んだ人の将来の仕事イメージ〉

マスコミ学やメディア社会学を学ぶことは、直接にはメディアの特性や仕組、さらにメディアとの付き合い方を知るということですが、より広くは、時代の変化に敏感になるということです。そうした社会への感受性は、映像や放送の仕事だけではなく、広告・企画やイベントの仕事に進む際にも重要な資質になります。また一般の企業でもマーケティングや広報・企画の仕事をする上で役立ちます。マスコミ学やメディア学を学んだ学生は、総じて時代の変化に敏感な仕事に就く学生が多いのが特徴です。