CURRICULUM
心理学部
カリキュラム
カリキュラムについて
- ● 本学部のカリキュラムは、基礎を学ぶ1・2年次と、発展的内容を学ぶ3・4年次に大きく分かれています。
- ● 1・2年次では、概論系科目を通じて心理学の基礎知識を広く学び、また統計的データ処理や実験演習・調査法演習などの実習科目を通じて、心理学に必須とされるスキルの修得を目指します。
- ● さらに 3・4年次では、実験心理学、応用心理学、臨床心理学、発達心理学の4領域に分かれ、ゼミを通じてより高度な専門性を身に着けます。
- ● カリキュラムの最終目標となる4年次の卒業研究では、それまでに学んだすべての知識とスキルを援用しながら、同時代の先端的な心理学研究につながる各種テーマについて、科学的方法論に基づき、データを収集・分析し、論文にまとめていきます。
実験心理学領域
実験心理学領域の主な専門科目は2年次から始まります。「実験心理学概論1・2や「認知心理学」では、人間の視聴覚、注意、記憶、学習、言語に関わる“こころ”の働きを基礎から学びます。「感覚知覚心理学」、「認知神経科学」、あるいは「神経・生理心理学1・2」は発展的な講義です。上に挙げた“こころ“の働きがどのような脳機能によって支えられているのかを解説します。これらの授業は知識科目に該当します。
「心理学基礎実験演習1・2」は必修科目で、全12種類の実験テーマで構成されています。履修者自身がデータの収集と分析、レポートの作成をおこない、卒業研究に向けた実践的なスキルを身につけます。あわせて、「心理学統計法1・2・3」や「心理調査法演習」を履修することで、科学的な思考方法と分析手法を深く理解することができるでしょう。このようにして培われた知識とスキルを「心理学課題演習1・2」(いわゆる学部ゼミ)で活用し、それぞれの卒業研究に主体的に取り組んでください。
※以下のカリキュラムツリーは学部固有科目のみ記載しています。履修に際しては、全学共通科目に注意した上で、学生便覧をよく確認して履修計画を立ててください。
※各科目の上付き文字は、心理学部のディプロマ・ポリシーの番号と対応する
凡例
- 公認心理師指定科目
- 共通科目
- 実験系科目
- 応用系科目
- 臨床系科目
- 発達系科目
応用心理学領域
応用心理学領域の専門科目は2年次から始まります。「応用心理学概論1・2」は,応用心理学の全体像について理解し,知見を職場や日常生活の改善に役立てることができるようになることを目的としています。「社会心理学1・2」1では,社会心理学の基礎から応用まで広く学ぶことができます。「環境心理学」では,環境による心理的影響から快適な環境のデザインまで学ぶことができます。「組織心理学」2は,職場のストレスやリーダーシップ等,産業の現場における人と人との関わりについて学びます。そのため,産業心理学だけでなく社会心理学とも関わりが深い内容になっています。
3年次の専門科目として,隔年開講の「産業心理学」があります。上記の通り,組織心理学と関わりが深く,また,オフィスの環境等については環境心理学とも関連します。もう1つ隔年開講の科目として「交通心理学」があります。この分野は事故の防止等の点で産業心理学と共通する部分が多いです。産業心理学において安全で快適な職場をデザインすることは重要なテーマであるため「人間工学」とも深く関わっています。デザインについてさらに学びたい方には「照明・色彩心理学」もおすすめです。そして,ここまで出てきた内容について現場で見学や体験できる科目として「応用心理学実習」があります。「応用心理学実習」も他の科目と同様に他領域の方でも受講できます。
1. 「社会心理学1」は公認心理師指定科目の「社会・集団・家族心理学」に該当します。
2. 「組織心理学」は公認心理師指定科目の「産業・組織心理学」に該当します。
※以下のカリキュラムツリーは学部固有科目のみ記載しています。履修に際しては、全学共通科目に注意した上で、学生便覧をよく確認して履修計画を立ててください。
※各科目の上付き文字は、心理学部のディプロマ・ポリシーの番号と対応する
凡例
- 公認心理師指定科目
- 共通科目
- 実験系科目
- 応用系科目
- 臨床系科目
- 発達系科目
臨床心理学領域
臨床心理学領域の専門科目は2年次から始まります。「臨床心理学概論1」では、臨床心理学の歴史や心理検査の種類や仕組みに、代表的な心理療法について学びます。「臨床心理学概論2」では乳幼児期から老年期までの心の問題について取り上げています。また、精神保健学や精神医学の知識を学び、3年次のより実践的な専門知識を学ぶための基礎を固める時期です。
3年次では、心理療法はより専門的・具体的内容が「臨床心理面接法」や「認知行動療法」で解説され、「心理アセスメント実習1・2」では検査を実際に体験しながら理解を深めます。さまざまな心理検査を体験することは自己理解にもつながりますので、就職活動の自己分析にも役立つ科目です。臨床心理学と発達心理学は近接領域ですので、発達系科目も積極的に受講することを勧めます。
※以下のカリキュラムツリーは学部固有科目のみ記載しています。履修に際しては、全学共通科目に注意した上で、学生便覧をよく確認して履修計画を立ててください。
※各科目の上付き文字は、心理学部のディプロマ・ポリシーの番号と対応する
凡例
- 公認心理師指定科目
- 共通科目
- 実験系科目
- 応用系科目
- 臨床系科目
- 発達系科目
発達心理学領域
1年次は「アカデミック・スキルズ」「現代心理学の諸領域1・2」などの入門的な科目が中心となりますが、「心理学統計法1・2」や「心理データ解析法」などは卒業研究に必要な統計解析スキルを身につける重要な科目です。
発達心理学領域の主な専門科目は2年次から始まります。「発達心理学概論1・2」や「教育心理学」では、ヒトの発達や教育に関する基礎的知識を学びます。「親と子の発達心理学」、「生涯発達心理学」、あるいは「多様な人生の発達心理学」は発達の多様な形に迫る発展的講義です。「自分つくりの発達心理学」は集中講義ですが、主に青年期の発達について解説します。調査や統計解析のスキルを向上させるため、「心理調査法演習」はもちろんのこと、「心理学統計法3」もぜひ受講してください。
3年次では、「心理学課題演習1・2」(いわゆる学部ゼミ)での活動が中心となりますが、子育て世代のご家庭に訪問することを通じて体験的に学ぶ「発達心理学実習」はぜひとも受講を進めたい科目です。またそれぞれの関心に合わせて他領域の科目も積極的に受講してください。たとえば認知発達に関心があれば実験系科目、臨床発達に関心があれば臨床系科目などの受講をお勧めします。
※以下のカリキュラムツリーは学部固有科目のみ記載しています。履修に際しては、全学共通科目に注意した上で、学生便覧をよく確認して履修計画を立ててください。
※各科目の上付き文字は、心理学部のディプロマ・ポリシーの番号と対応する
凡例
- 公認心理師指定科目
- 共通科目
- 実験系科目
- 応用系科目
- 臨床系科目
- 発達系科目
公認心理師
公認心理師指定科目では、3年次終了時点までに心理実習を除く24科目の単位を取得している必要があります。4年次には80時間以上の心理実習が必須となりますので、本学カリキュラム履修においては、計画性のある履修を心掛けてください。
公認心理師指定科目だけでなく、公認心理師を目指し大学院受験を予定している人は、心理学講読演習B~Eを受講することで、英語論文を読む習慣ができると思います。また「認知行動療法」や「心理アセスメント実習2」なども指定科目ではありませんが、公認心理師として現場で働くためには必須となる知識ですから、ぜひとも受講を勧めたい科目です。公認心理師の受験資格取得を目標にするのではなく、公認心理師として現場で働くことをイメージして履修計画を立てましょう。
※以下のカリキュラムツリーは公認心理師指定科目のみ記載しています。履修に際しては、学部固有科目、全学共通科目に注意した上で、学生便覧をよく確認して履修計画を立ててください。
※各科目の上付き文字は、心理学部のディプロマ・ポリシーの番号と対応する
凡例
- 公認心理師指定科目
- 共通科目
- 実験系科目
- 応用系科目
- 臨床系科目
- 発達系科目
授業の紹介
アカデミック・スキルズ(共通科目)
大学では、高校までとはまったく異なる学習スキルが求められます。自ら目標や課題を見つけ、それらに関する正確な情報を集め、整理し、その内容を論理的・批判的に考え、その調査や考察の結果を、簡潔で説得的なレポートやプレゼンテーション(口頭発表)の形にまとめることが必要となります。この授業では、そうしたスキルの基本的な訓練を行い、大学で主体的に学習を進めるために必要な基礎力を養います。
心理学海外演習
この演習では、まず秋学期中に、外国人教員の指導のもと、英語話者アシスタントと共に、週1回の授業で英会話のスキルアップを行います。その後、春休み期間に、オーストラリア・ブリスベンにあるグリフィス大学で海外研修を行います。英語スキルのさらなるレベルアップを図りながら、現地で活躍されている心理職の方々からオーストラリアの心理臨床の現状について学び、またさまざまな文化体験やホームステイの経験を通じて、グローバルな視野をもつ重要性を学びます。
心理学基礎実験演習
心理学の実験を体験しながら、データ収集、分析、実験レポートの作成を行い、心理学研究の基本的なスタイルや、実験という手法を通して人間の心の世界を体系的に調べる方法を身につけていきます。錯視、記憶、両眼視、学習などの実験テーマを扱います。課題が多く過酷な授業ですが、その見返りとして仮説とデータによってモノゴトを考える力(科学的思考力)、説得力のある客観的・論理的な文章を書く力(科学的表現力)を養うことができます。