檜山幸夫名誉所長 「日本台湾交流協会表彰」を受賞

 2020年1月31日(金)、公益財団法人日本台湾交流協会において「令和元年度日本台湾交流協会表彰」表彰式が催され、協会の谷崎泰明理事長より本所の檜山幸夫名誉所長及び2団体(日本台湾学会・日華青少年交流協会)に対し、表彰状が授与された。
 日本台湾交流協会表彰は、日本台湾交流協会の活動に協力し、特に推奨するに値する顕著な貢献及び善行を行ったと認められる個人又は団体を表彰することを目的として制定されたもので、今回が初めての表彰であった。したがって、個人に対する表彰は、檜山名誉所長が第一号である。本所からは、酒井恵美子所長、大友昌子名誉研究員、東山京子研究員が表彰式に出席した。





 本所は、1981年に日本の台湾統治と台湾総督府文書に関する研究プロジェクトを立ち上げ、翌(1982)年、調査団が台湾総督府文書の収集を目的として、台湾での調査・研究を始めて以降、台湾統治史の研究を進めてきた。研究プロジェクトの立ち上げと、調査団組織化の中心となったのが檜山名誉所長であった。

 本所は、台湾総督府文書の所蔵機関である台湾省文献委員会(現・国史館台湾文献館)と学術交流協定を締結し、台湾総督府文書の目録編纂事業を進め、10年余におよぶ台湾での調査・研究を積み重ねた結果、1993年に『台湾総督府文書目録』第1巻を刊行した。ここにはじめて台湾総督府文書という文書史料群の全貌が明らかにされた。この目録刊行により、総督府文書を利用した台湾統治史研究が飛躍的に進展していくことになった。本所の目録編纂事業は、まさに学問としての「台湾史」の成立に寄与したのである。本所は、目録編纂事業を研究所の基幹事業として位置づけ、現在まで継続しており、2020年の段階で『台湾総督府文書目録』を第30巻(大正4年分)まで刊行している。この間本所の行った台湾総督府文書目録編纂事業、台湾史研究の成果公開、及び総督府文書を通じた日台学術交流は、すべて檜山名誉所長のリーダーシップのもとで行われた。

 今回、檜山名誉所長はこのような台湾史研究及び日台学術交流の発展に対する顕著な貢献をもって日本台湾交流協会より表彰された。本所は、檜山名誉所長が築き上げた台湾史研究の基盤の上に、檜山名誉所長の指導を仰ぎつつ、これからも世界における台湾史研究の拠点として活動を継続していく所存である。