現代インド研究

現代インドの学際的研究

研究組織

氏  名 個別参加テーマ
溜 和敏(研究代表者) 現代インドの国際関係
田中 鉄也 インドにおける司法と宗教の絡み合い
永石 信 経営組織における「倫理観」の役割:インド人ビジネスパーソンのディスコースとメタファーの分析
中野 歩美 インドの移動民と市民権

研究調査期間・場所

調査期間:3年(2024年度~2026年度)
調査場所:インドでの共同調査(2024年度はラジャスターン州予定)

研究目的

 本研究の目的は、第1に、世界一の人口大国となったインドの現代的諸課題について、社会科学と人文科学の垣根を越えた多様な専門領域から集まった研究員がそれぞれの知見と専門性を活かして学際的な研究を行い、課題の理解と解明を進めることである。各専門領域の知見を持ちより、インドの現在と未来を見通す知見を提供する。
 第2に、本研究プロジェクトを中心とした現代インド研究のネットワーキングを行うことである。本プロジェクトで定期的に開催する研究会は、本学ならびに近隣の大学に所属する現代インド研究者が参集し、地域における現代インド研究の拠点となる。さらには、他の地域や国外からの研究者を対面あるいはオンライン開催の研究会に招聘し、ネットワークのさらなる拡大により各研究員の研究の振興を図る。
 第3に、現代インド地域研究の知見を社会に還元することである。インドには日本企業の進出数も増えており、インドの政治、経済、社会をめぐる知見に対する社会的需要が高まっている。とくに、製造業に強みを持つ中部地方の企業では、「Make in India」を国策として推進しているインドへの進出を強めている。研究論文や叢書の刊行、シンポジウムの開催により、研究成果のアウトリーチを展開する。

研究計画

全体の研究計画
 本研究プロジェクトの研究の中核を成すのは、各年度3回程度の開催を予定する研究会である。報告者が各専門領域において遂行している研究成果を報告し、幅広い分野から集まった参加者との討議を通じて、現代インドの諸課題の理解や解明を進める。
 研究会の開催に加えて、各年度1回、インドでの共同現地調査を実施する。それぞれの研究員のフィールドでの調査に他の研究員が参加することにより、学際的研究を発展させる。
 1年目は、3回程度の研究会の開催を通じて、ネットワーキングを重点的に進める。とくに近隣の大学に所属する現代インド関連の研究者や、名古屋地域に縁のある研究者やジャーナリストなどを研究会に招聘し、継続的に参加できる研究者を研究所の特任研究員としてプロジェクトへの参加を促す。2年目は、3回程度の研究会を開催するとともに、本プロジェクトの中間報告として位置付けられるシンポジウムを開催し、現代インドの社会、経済、政治の状況をめぐる討議を行い、地域社会の知的需要に応える。最終年度となる3年目には、引き続き3回程度の研究会を開催するとともに、研究成果の取りまとめとして『社会科学研究所叢書』の刊行、あるいは紀要『社会科学研究』への論文投稿を行う。

2024年度の研究計画
 1年目は、初めにメンバーによる研究会において調査計画を策定し、年度後半に一部のメンバーによるラージャスターン州での現地調査を実施する。また、宗教学、文化人類学、国際関係論などの具体的なトピックを扱う研究会を3回程度開催する。