教員紹介
保条 成宏(ほうじょう まさひろ)
職名 |
教授 |
専門分野 |
刑事法 |
研究テーマ |
子どもの医療ネグレクトへの刑法による介入
刑法による生命保護と優生思想 |
所属学会 |
日本刑法学会 日本医事法学会 日本障害法学会(2018年より理事) 日本生命倫理学会 など |
担当科目 |
刑事法入門(1年) 刑法ⅠA・ⅠB(刑法総論)(2年) 基本演習(2年)
専門演習Ⅰ(3年) 専門演習Ⅱ(4年) |
経歴・学歴
1965年 9月 |
名古屋市中区南外堀町(現・三の丸)に生まれる |
1984年 3月 |
愛知県立岡崎高等学校卒業 |
1988年 3月 |
名古屋大学法学部法律学科卒業 |
1990年 3月 |
名古屋大学大学院法学研究科博士前期課程民刑事法専攻修了 |
1993年 3月 |
名古屋大学大学院法学研究科博士後期課程民刑事法専攻単位取得退学 |
1993年 4月 |
名古屋大学法学部助手 |
1996年 1月 |
日本学術振興会特別研究員(PD) |
1996年10月 |
福岡教育大学教育学部講師 |
1998年 4月 |
福岡教育大学教育学部助教授 |
2007年 4月 |
福岡教育大学教育学部教授(2017年6月 名誉教授) |
2017年 4月 |
中京大学法学部教授(現在に至る) |
主要業績
著書 |
『新生児医療現場の生命倫理――「話し合いのガイドライン」をめぐって』メディカ出版・2005年(田村正徳=玉井真理子編・共著) |
『子どもの医療と法〔第2版〕』尚学社・2012年(小山剛=玉井真理子編・共著) |
『高齢者・難病患者・障害者の医療福祉(シリーズ生命倫理学 第8巻)』丸善出版・2012年(徳永哲也=大林雅之編・共著) |
『小児医療と医事法(医事法講座第7巻)』信山社・2016年(甲斐克則編・共著) |
『医事法辞典』信山社・2018年(甲斐克則編集代表・分担執筆) |
論文 |
「障害新生児の生命維持治療をめぐる刑法的問題(1)-(6)完」名大法政論集140号151-195頁、144号401-447頁、151号305-321頁、152号407-437頁、153号317-354頁、158号413-457頁(1992-1994年) |
「小児患者の医療ネグレクトへの医事法的対応――『総合的医事法』の視点に基づく刑法と民事法・福祉法の協働」年報医事法学(日本評論社)29号18-24頁(2014年) |
「子どもの医療ネグレクトと一時保護による対応――刑法・民法・児童福祉法の協働による『総合的医事法』の観点に立脚して」中京法学49巻3=4合併号(石川一三夫・平川宗信教授退職記念号)223-310頁(2015年) |
「生命の刑法的保護と障害者――ドイツと日本における優生思想の展開に着目して(特集 相模原障害者殺傷事件と障害法の課題)」障害法(日本障害法学会)2号55-71頁(2018年) |
「新生児の治療拒否への対応(特集 いま求められる周産期生命倫理の知識)」周産期医学(東京医学社) 50巻6号949-952頁(2020年) |
「医療ネグレクトと『子どもの代理人』」鈴木博人=横田光平編『子ども虐待の克服をめざして――吉田恒雄先生古稀記念論文集』(尚学社)80-99頁(2022年) |
「新生児の医療ネグレクトへの対応(今月の臨床:生殖医療・周産期にかかわる法と倫理――親子関係・医療制度・虐待をめぐって 周産期の虐待をめぐる諸問題) 」臨床婦人科産科(医学書院)76巻6号587-591頁(2022年) |
判例研究等 |
「新生児うつ伏せ寝窒息死事件――東京地裁平成15年4月18日判決」甲斐克則=手嶋豊編『医事法判例百選〔第3版〕 』(有斐閣)150-151頁(2022年) |
口頭報告等 |
「医療ネグレクトへの『事前的関係調整法』による対応 ――『死生観』の対立とこれに起因する『関係障害』を超克するために」(日本生命倫理学会シンポジウム 東京大学 2013年12月) オーガナイザー |
「子どもの医療ネグレクトと法――刑法・民法・児童福祉法の協働に着目して」(児童福祉法研究会 日本福祉大学 2019年3月) 講演 |
「生命の刑法的保護と優生思想――ドイツと日本に着目して」(日本刑法学会ワークショップ「障害者の権利と刑事法」 一橋大学 2019年5月) |
「刑法上の法益主体・行為客体・保護客体としての胎児」(国立がん研究センター がん対策研究所生命倫理・医事法研究部 2024年2月) 講演 |
コラム |
「陣痛促進剤被害」玉井真理子ほか編『子どもの医療と生命倫理――資料で読む〔第2版〕』(法政大学出版局)73-74頁(2012年) |
「法との私的邂逅(特集 法)」八事(中京大学評論誌)34号40-48頁(2018年) |
「『塀の中の事情』と向き合う――社会復帰への関心・理解を(オープンカレッジ)」中部経済新聞2021年1月6日 |
その他 |
「次男暴行死 二審も実刑――三つ子育児、うつ 責任能力問題なし」(中日新聞2019年9月25日付朝刊) 名古屋高裁判決に対するコメント |
「判例研究要録 (判例研究 心神喪失者等医療観察法の合憲性(最判平29・12・18))」障害法(日本障害法学会)5号93-96頁(2021年) |
教員からのメッセージ
学部生へのメッセージ
近年の日本では、とかく犯罪が関係する様々な社会現象に対して「厳罰」による解決が声高に叫ばれますが、刑罰への強い依存のうえに成り立つ社会は、殺伐として息苦しく、また結局のところ未成熟で脆弱なものであると思います。「そもそもなぜ人間が、たとえ犯罪者とはいえ同じ人間である存在に対して、刑罰というかたちでその財産(罰金刑などの場合)や自由(懲役刑などの場合)、さらには生命(死刑の場合)さえをも奪うことが許されるのか」、「人間が人間を処罰することが許されるならば、そのためには犯罪捜査や刑事裁判などにおいてどのような手続が必要となるのか」といった根源的な問いから出発して、今の日本社会のあり方を見つめ直してみませんか。
高校生・受験生へのメッセージ
みなさんは、「法」というものに対して、どのようなイメージを抱いていますか。中学校・高等学校での校則などのイメージと重ね合わせて、「法とは、我々に有無を言わせずに守り従うことを要求するものである」といった観念が先行してはいませんか。法とは、決してそのようなものではなく、国家権力の不当な発動や他者による侵害行為から我々の「いのちとくらし」を守るための「道具」なのです。このような我々にとっての「道具としての法」について法学部で学ぶことを通して、我々ひとりひとりの「いのちとくらし」が守られるためには社会はどうあるべきか、またあるべき社会を作り上げるために我々はどのように行動すべきか、ぜひいっしょに考えてみませんか。
連絡先(E-mail) |
hojomasa (at) mecl.chukyo-u.ac.jp <(at)を@に置き換えてください> |