梅村学園とミズノが連携協力協定を締結 スポーツキャラクター統一など諸事業推進

 学校法人梅村学園と総合スポーツメーカーのミズノ株式会社は3月14日、包括的に連携を深めるため、連携協力協定を結んだ。締結式は午後1時から中京大学名古屋キャンパスの会議室で記者会見を兼ねて行われた。梅村清英学園理事長、ミズノの水野明人代表取締役社長をはじめ、双方の関係者が出席し、記者会見の席上で協定書を取り交わした。

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 調印後に握手する水野社長(右から2人目)と梅村理事長(左から2人目)。左端は安村学長。右端は水野取締役


 締結に先立ってあいさつに立った梅村理事長は、アテネ五輪ハンマー投げ金メダリストの室伏広治氏をはじめとして、これまでのミズノ社とのアスリート育成での密接な関係をあげて、さらに両社の関係が深まることを祈念したいとし、2023年の学園創立100周年の大きな節目に向けてさまざまな事業の検討を始めていることを明らかにした。また、水野社長は、「これまで大学と企業は別々に歩んできたが、(お互いに)少子化への対応やスポーツ人口減少に憂いを感じている。同じような立場の両者が連携することで、スポーツが盛んになり、経済効果を生むということになればいい。(協定を)その試金石にしたい」と述べ、梅村理事長もさらに「モノづくりのみならず、人づくりのための積極的な試みだと思います」と応じた。
 協定は、双方が得意とする教育・研究・文化の振興、文武の心を大切にした人材育成・スポーツ振興・社会貢献などの分野でともに発展、充実を図るため、積極的に連携を推進し、スポーツ文化があふれる地域づくりなど、多くの分野で協力をすることを目的としている。スポーツキャラクターの統一、デレゲーションウエアの開発について、すでに検討を進めていることが説明された。ミズノの水野英人取締役によると、早ければ来年3月にもウエアを完成できる見通しとなっている。

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  協定書に署名する梅村理事長(左から2人目)と水野社長(同3人目)

 
 記者会見には、CISPのトレーニングで故障からの復活を成し遂げつつあるミズノトラッククラブ所属のディーン元気選手、市川華菜選手も出席した。ディーン選手はやり投げ、市川選手は400㍍リレーでロンドン五輪に出場したが、その後はけがで不本意なシーズンを送ってきた。しかし、CISPに取り組んで両選手ともリオ五輪を狙う状態にまで復調している。両選手は記者の質問に答え、「トレーニングによって体の動きが明らかに良くなっている。ぜひリオデジャネイロ・オリンピックに出場し、いい戦いをしたい」と明るい表情を見せた。

 中京大は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けては、昨年9月に理事会のもとに「梅村学園・中京大学スポーツ将来構想会議」(略称・スポーツ会議)を設置し、スポーツ強化だけでなく、スポーツの価値をさらに高め、広めていく施策を広範に検討しているが、梅村理事長は「協定締結はその主要な柱の一つ。今後とも私どものスポーツの取り組みにご注目いただければ」と語った。

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    梅村学園とミズノの首脳4人と、ディーン選手(右端)、市川選手(左端)


【梅村清英・梅村学園理事長挨拶】

 日本を代表する総合スポーツメーカーのミズノ株式会社と、中京大学を運営する学校法人梅村学園との間で、連携協定を締結する日を迎えました。協定締結に向け、全面的にご協力いただきました水野明人代表取締役社長、水野英人取締役をはじめ、ミズノ株式会社の皆様方に厚く御礼を申し上げます。協定をきっかけにして、互いのスポーツに関する知見を生かして、今後もさらにアスリートの育成、スポーツの振興、社会貢献に取り組んで参りたいと思います。そうすることによって、スポーツ文化を益々この日本全国で広めて参りたいと思います。
 ミズノ様とは、これまで深く密接な関係を結んで参りました。中京大学体育学部のOBで、現在JOC理事を務める室伏広治さんは、昨年度まで中京大学スポーツ科学部の教員を務めました。室伏選手はハンマー投げでアテネ・オリンピック金メダル獲得など大きな成果を挙げています。これもミズノ株式会社のご尽力の賜物と思っています。そして、この会見に出席しております陸上女子短距離の市川華菜選手。彼女は中京大学体育学部のOGで、2012年のロンドン・オリンピックに出場しております。卒業後はミズノトラッククラブに所属し、中京大学の豊田キャンパスを練習拠点にして活躍しています。そして、同じくミズノトラッククラブ所属のやり投げ選手、ディーン元気さん。ディーンさんは中京大学スポーツ科学部の田内健二准教授の指導を受け、やはり私共の豊田キャンパスを練習の拠点にして活躍されています。本日の連携協定締結により、ミズノ、梅村学園の両者の関係がより一層深まっていくことを祈念しています。
 梅村学園は、2023年が学園創立100周年の大きな節目となります。この100周年に向けて様々な事業の検討を始めています。本日のミズノさんとの連携協定によるスポーツキャラクターの統一をその第1弾と位置付けています。
 また、私共のトップアスリート育成事業として、「CISP」(Chukyo University Institute of Sports Performance)があります。トレーニングという側面からアスリートの活動を支えています。これまで、中京大学附属中京高校3年生でフィギュアスケートの宇野昌磨選手、中京大学の硬式野球部、水泳部、サッカー部などがこのCISPのトレーニングの支援を受けています。特に宇野選手の今季の活躍は目を見張るものがあります。水泳部はここ数年、インターカレッジ大会で好成績を挙げています。こうした実績もあります。ミズノトラッククラブの2選手と正式契約をし、トレーニングを実施していきます。これは、私共のアスリート育成の仕組みをミズノ様に評価していただいた証である、ととらえています。それぞれの事業については、後ほど担当からご説明させていただきます。
 梅村学園、中京大学の建学の精神は「学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ」です。建学の精神に「スポーツ」を謳う大学は、全国的にも非常に珍しいと思っています。過去のオリンピックでは、夏季、冬季合わせて実数で52名、延べ95名と、いよいよ延べ100名、三桁に届こうとしています。今年リオ・オリンピックが開催されますが、この100名の大台に乗せたいと思っています。2020年には東京オリンピック・パラリンピックも開催されますので、さらなる強化・支援体制を構築していきたいと考えております。
  また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けては、昨年9月に「梅村学園・中京大学スポーツ将来構想会議」(略称・スポーツ会議)を、理事会の下に設置しました。スポーツ会議において、スポーツの強化をはじめとして、スポーツの価値を高め、そして広めていく様々な施策を検討して参ります。本日の協定締結は、その主要な柱の一つとなるものです。今後の私共のスポーツに関わる取り組みに是非ご注目いただきますよう、心からお願いいたしまして、私からの冒頭のご挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

 

 

 

 


 

















2016/03/14

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