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教授
福井 佳夫(ふくいよしお)
自己紹介/プロフィール
高校時代のころから「国語」科が好きだった。なかでも、柔弱な印象がした日本古典よりも、読むと口調がよく内容も剛直な感じの漢文に、強く魅せられた。『史記』や『三国志』のダイジェスト版は、当時の愛読書であった。そういうわけで、大学は迷わず中国の文学や文化を専攻し現在に至っている。専攻は中国六朝期の文学と文化。
学会・公職活動
日本中国学会、東方学会、中国中世文学会等
主な著書
『中国文章論 六朝麗指』(共訳)
『六朝美文学序説』
『中国の文章―ジャンルによる文学史』
『六朝の遊戯文学』
『六朝文体論』
『六朝文評価の研究』
『六朝書翰文の研究』
ゼミ紹介
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福井 佳夫ゼミ
中国の小説のなかには、六朝志怪とか唐代伝奇とか称される、一群の怪異譚がふくまれる。そこでは、英雄から無名の庶民まで、多彩な人物が活躍するが、内容的には、死んだ人間が再生したり、幽霊が白昼から出現したり、狐が人をばかしたり、人が虎に変身したりなどの奇妙な話がおおく、説話の宝庫でもある。これらの小説は、遣唐使や留学生などによって日本に輸入されて、古い日本の文化に多大な影響をあたえてきた。たとえば七夕や浦島太郎等の伝説、地獄や閻魔大王、怪談ばなし、中島敦「山月記」などは、こうした輸入した中国小説を模倣し翻案して、成ったものなのである。この演習では、こうした中国小説の影響の濃い諸作について、関係する日中の諸文献(翻訳を用いる)を講読して、その影響関係を考察してゆく。
主な卒業研究タイトル
●あの世の境界としての「三途の川」
●異界としての「山」─―志怪伝奇を中心に―─
●志怪伝奇における「病の治療法」─―その原因をめぐって―─
●異類婚姻譚における「子」の存在―─日本霊異記・今昔物語を中心に―─