教授
馬部 隆弘(ばべ たかひろ)
専任講師 小池 勝也(こいけ かつや)

自己紹介/プロフィール

主たる専門は戦国期の首都京都を中心とした畿内政治史だが、大阪府枚方市や京都府長岡京市で公務員として勤務している頃からフィールドワークなどの現地調査に基づく地域史の研究も積み重ねてきた。それらの接続を模索しつつ、中世から近世にかけての列島社会を時代の枠組にとらわれることなく動態的に捉え直したいと考えている。また、多くの研究者に活用されてきた「椿井文書」という偽物の古文書を対象として、現代社会と歴史学のあるべき関係についても思案している。

学会・公職活動

日本史研究会(2022~2023年編集委員)、大阪歴史学会(2019~2021年編集委員、2021~2023年会計監査)、戦国史研究会、織豊期研究会、大阪狭山市狭山池総合学術調査委員会調査員

主な著書・論文

『楠葉台場跡(史料編)』(枚方市教育委員会・(財)枚方市文化財研究調査会、2010年)
『戦国期細川権力の研究』(吉川弘文館、2018年)
『由緒・偽文書と地域社会―北河内を中心に―』(勉誠出版、2019年)
『椿井文書―日本最大級の偽文書』(中央公論新社、2020年)
『新修茨木市史』第2巻(茨木市、2016年、共著)
『大阪大谷大学図書館所蔵椿井文書』(大阪大谷大学博物館、2020年、編著)
『勝龍寺城関係資料集』(長岡京市教育委員会、2020年、共著)
『京都の中世史6 戦国乱世の都』(吉川弘文館、2021年、共著)
「天文十七年の細川邸御成と江口合戦」(『年報中世史研究』第46号、2021年)
「これからの椿井文書研究のために―椿井家と今井家に関する基礎的考察―」(『日本史研究』第709号、2021年)
「六角定頼の対京都外交とその展開」(『日本史研究』第710号、2021年)
「足利義昭の奉公衆と城普請」(『織豊期研究』第23号、2021年)
「細川晴元の取次体制と大隅守有」(『日本歴史』第884号、2022年)
「内藤宗勝の丹後・若狭侵攻と逸見昌経の乱」(『地方史研究』第415号、2022年)
「近江津田一族の京都方面進出」(『日本歴史』第901号、2023年)

ゼミ紹介

Seminar
馬部 隆弘ゼミ

戦国・織豊期を中心に中世社会から近世社会への変化について考えるゼミです。権力論に関する議論が基軸になりますが、中近世移行期を対象とするのであれば、扱うテーマや地域は特に問いません。ただし、当該期は権力の質的変化と社会の質的変化が密接に関わっているため、卒論でどのようなテーマを扱うにしても、権力論は基礎知識として把握しておく必要があります。
3年次のゼミでは、論文の輪読を通じて、文字史料を用いながら説得力のある文章を構成していく方法について徹底して指導します。4年次のゼミでは、卒論の内容発表などを通じて、限られた文字数で構成される史料から過去の様子を洞察する技術を身につけていきます。ゼミの当面の目標は優秀な卒論を仕上げることにありますが、その作業を通じて体得した説得力と洞察力は、実生活においても様々な場面で役立つはずです。


ゼミ合宿(滋賀県観音寺城)