はこだて未来大学との学術交流

 先端共同研究機構では、学内において学部を跨ぐ学際的研究を進めるなかで発展してきた人文系と理系とによる協働プロジェクトであるデジタルヒューマニティーズ研究プロジェクトが、三菱財団および文部科学省科研費の研究助成を受け進行している。この研究は、法学部教授であり社会科学研究所(社研)檜山幸夫所長が1982年から開始した日本統治時代の行政文書である台湾総督府文書研究(台湾総督府文書目録の編纂と同時に進めている台湾総督府文書史料検索データベースの構築)で蓄積してきた知識と、1991年にわが国で最初の人工知能研究の拠点ともなった中京大学人工知能高等研究所(AI研)が蓄積してきた画像処理技術と従来の技術を大幅に改良した先端技術と手書き文字認識についての最新技術を用いて、今まで困難とされてきた手書き文字の自動解読システム開発を目指し、社研とAI研との共同研究として開始したものである。
 近代手書き文字データセットの構築および文字・文書認識の要素技術開発を進め、現段階では、約20万の手書き文字情報を有すデータセットが構築できており、また、開発している文字・文書認識技術の精度は約90%に達している。右図には、データセットおよび研究手法の概略を示す。
 この研究プロジェクトは、公立はこだて未来大学との大学間協定のなかでの共同研究に位置付き、大きく発展している。
 なお、本研究プロジェクトは、現在、中京大学戦略的研究に位置づけられている。

文字・文書認識の要素技術開発