活動・取組
FDセミナー・ワークショップ
中京大学では、教育に関する手法や考え方についてのセミナーを継続的に開催することで、専任、非常勤を問わず全学的な取組として本学の教育力の向上を図っています。
9月19日 中京大学FD・SDセミナーを開催
学校法人梅村学園中京大学主催2025年度中京大学FD・SDセミナーが、9月19日、対面、およびオンラインで開催され、計206人が聴講しました。なお、セミナーは後日録画を視聴することができ、オンデマンド視聴で77人が聴講しました。
今回のセミナーは、文部科学省 高等教育課高等教育政策室 室長補佐太田雄嵩氏をお招きし、「『知の総和』答申を踏まえた教育の質保証と教職員の高度化について」講演いただきました。急速に進行する社会の変化と少子化の影響を踏まえ、今年2月に公表された中央教育審議会答申(我が国の「知の総和」向上の未来像~高等教育システムの再構築~以下、「知の総和」答申。)では、高等教育機関における教育研究の「質」の更なる高度化の必要性が指摘されています。そうした中、各大学において国公私立の機関ごとの違いや特色を生かし、自らの役割・機能を再定義する必要性も高まっています。
これら「知の総和」答申で述べられている大学に期待されている内容について理解を深めることも我々大学人には求められています。そこで、文部科学省から講師をお招きし、「知の総和」答申の内容について解説いただく機会を通し、本学における学修者本位の学びの充実に向けた示唆を得ることを目的に開催しました。
講演に先立ち、梅村清英学長が挨拶され、「今回のFD・SDセミナーは本学の教職員のみならず、近隣の名古屋六大学の関係者の皆さまにも会場にお越しいただき、教育の質向上に関する知識を深める機会を大学を越え共有できる機会とすることができ、非常に嬉しく思います。」と述べられました。その後、出生率の公表データや600を超える私立大学の定員充足の状況などについて触れながら、私立大学を取り巻く厳しい現状や社会情勢を踏まえつつ、「厳しい状況にあって大事なことは、自らの強み・弱みを正しく把握し、自大学が果たすべき使命を再認識して、教育研究に取り組むべき。特に教育においては、学生が何を学び、身につけられるかに注力する必要があります」と力強く述べられました。
太田氏の講演では、始めに本答申の取りまとめに至るまでの背景から解説いただき、近年の高等教育政策を振り返った後、①教育研究の「質」の更なる高度化、②高等教育全体の「規模」の適正化、③高等教育への「アクセス」の確保と、重要な3つの柱を中心に解説いただき、後半では「2040年を見据えて社会とともに歩む私立大学の在り方検討会議」の中間報告についても、最新の情報をお話いただきました。
講演後の質疑応答では「統合・再編」に関する方向性や、認証評価の見直しについての具体的な検討状況、大学教育の高度化を支える教職員の設置や人材育成など、様々な視点から質問がありました。
セミナー後に行われた参加者アンケートにおいては、7割以上がセミナーの内容は有意義なものであったと回答得られ、有益なセミナーとなりました。
4月4日 中京大学FDワークショップを開催
中京大学教育推進センター主催2025年度中京大学FDワークショップが、4月4日、名古屋キャンパスで開催され、15人が受講しました。
今回のワークショップは、名古屋大学教育基盤連携本部(高等教育システム開発部門)/名古屋大学高等教育センター准教授の安部有紀子氏を講師に迎え、2024年度期中に着任した教員及び2025年度に新たに着任した教員向けに、「授業設計の基本」をテーマとして実施しました。
ワークショップでは、「『教えること』の基本的な考え方」をメインとし、「伝える・伝わるを体験してみよう」「授業デザイン」「成績評価・教授法のコツ」について、講義、グループワーク、情報共有を繰り返し、実際に伝えられる側を経験しながら伝わるための方法について考えました。
また、近年の高等教育の動向を踏まえ、学修者本位の学びを促す授業設計とはどのようなものか、到達目標を定め、目標の達成度を測る評価方法と授業内容を組み立てるバックワードデザインの考え方や学部全体のカリキュラムにおいて個々の授業がどのように位置づけられているか俯瞰して考える場面もあり、個々の授業のみならずカリキュラム全体への理解を深めることの重要性について気づきの得られる内容となりました。
セミナー後に行われた参加者アンケートにおいては、「FDワークショップの内容は有意義な(参考になる)ものでしたか。」との問いに9割以上の肯定的な回答を得られました。
参加者からは、「シラバスの書き方や授業の時間配分などについて改めて考え直すヒントを得ることができ、有意義であった。」「早速取り入れられそうなところから取り入れていきたいと思います。」など、実践につながる感想も得られ、有意義なワークショップとなりました。
過去5年間のFDセミナー・ワークショップ実績
| 年度 | 月日 | テーマ |
|---|---|---|
| 2025 | 9月19日 | 『知の総和』答申を踏まえた教育の質保証と教職員の高度化について |
| 4月4日 | 授業設計の基本 | |
| 2024 | 3月25日 | 学生の多様性を尊重したアクティブラーニングの実践 |
| 9月19日 | 性の多様性に配慮した授業の実施方法および学生との接し方について | |
| 4月5日 | 授業設計の基本 | |
| 2023 | 2月27日 | 大人数講義のツボ |
| 9月12日 | 中京大学のFD(Faculty Development)とは? | |
| 4月6日 | 授業設計の基本 | |
| 2022 | 2月24日 | 授業運営・業務における重要情報の扱いと情報セキュリティ対策のありかた |
| 9月12日 | 障害学生の合理的配慮をふまえた授業設計について | |
| 4月6日 | 授業設計の基本 | |
| 2021 | 12月1日 | オンラインによるグループワークの設計と実践 |
| 9月14日 | レポート課題を軸に考える授業設計 | |
| 4月3日 | 新任教員のための授業準備講座 | |
| 2020 | 12月7日 | オンライン授業を対象としたインストラクショナル・デザイン -オンデマンド・リアルタイム・対面とのブレンドなどの状況に応じて- |
| 9月8日 | オンライン授業で学生の学習を促す工夫 | |
| 2019 | 12月6日 | 多人数授業におけるアクティブ・ラーニングの活用 |
| 11月12日 | 授業設計とルーブリック | |
| 10月2日 | 学生と良好なコミュニケーションを築くには | |
| 5月29日 | アクティブ・ラーニングの推進について | |
| 4月6日 | 若手教員の教授法の向上を目指して | |
| 2018 | 12月15日 | ルーブリック研修会~ルーブリックの利点を実感する~ |
| 9月14日 | 若手教員の教授法の向上を目指して | |
| 4月7日 | 新任教員の基礎的スキルの定着を目指して |
アンケート
中京大学では、本学の提供する学びの機会を授業そのものとその周辺環境の両面から改善できるよう、学生の意見を抽出するために各種アンケートを実施しています。「授業改善のためのアンケート」では、授業に対する学生の意見から、各教員や学部、大学が授業内容などを改善しています。「授業環境・学内環境に関するアンケート」では、大学の設備やシステムについての学生の意見を、各管理部署が今後の整備の参考としています。
実施期間
●授業改善のためのアンケート:各学期授業週13週目~15週目
●授業環境・学内環境に関するアンケート:春学期授業週13週目~15週目頃
刊行物発行
中京大学では、本学のFD活動を学内外により広く知っていただくため、2種類の刊行物を発行しています。年間を通じた活動報告について年1回発行する「FD活動報告書」、よりタイムリーな情報を発信し、FDに親しみを持っていただくために各学期に発行する「FDNEWS」は、それぞれ本HPでも公開し、教職員、学生を問わず広く周知しています。
発行時期
●FD活動報告書:6月
●FDNEWS:春学期(4〜5月頃) 秋学期(10~11月頃)
教員によるFD参観(授業公開)

中京大学では、FD委員会(現在の教育推進センター委員会)における検討に基づき、2010年度春学期より「教員によるFD参観(授業公開)」として本学専任教職員、非常勤講師を対象とした授業公開を本格的に実施しています。 この取組は、他の教員の授業を参観することにより、
- 話し方、授業の組立て・進め方、機材の利用方法などを参考にする
- 関連する授業の具体的な内容を参考に、学部カリキュラムをより有機的なつながりのあるものとする
ことなどを直接の目的としますが、教員が互いに授業を行う上でのノウハウを共有し、学部教育レベルから教授能力向上についての建設的な意見交換を行うコミュニティをつくろうとする趣旨に基づくものです。
構えることなく普段どおりの授業を教員が互いに参観することで、それぞれの「良いところ」を自身の授業に活かしていくための良い機会となり、ひいてはそれが本学全体の授業の質を高めることにつながるものと考えます。この取組を継続的に行うことで、より良い授業が確実に学生に提供されるようになります。
2025年度開催期間
●各学期授業週2週目~14週目
※参観のお申込みについては、CHUKYOグループウェアまたは非常勤講師控室の案内をご覧ください。
JPFF実践的FDプログラム(オンデマンド講義)の活用 *本学専任教職員対象
全国私立大学FD連携フォーラム(JPFF)が提供する「実践的FDプログラム」とは、教員が自らの授業を専門分野と教育学の観点から省察することが出来る知識、技能、態度、特にアクティブ・ラーニングを実践する能力を修得することを狙いとした研修プログラムです。このプログラムを活用することで、大学教員に求められる教育力量と職能を育成し、大学教育の質を保証することを目指すものです。
*JPFFホームページ http://www.fd-forum.org/fd-forum/
オンデマンド講義の利用を希望する本学の専任教職員は、申し込みフォームに必要事項を記入のうえ、お申込みください。